平成27年度 山形県立中央病院 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位3位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞のICD10別患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位3位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 1458 352 393 716 860 1373 3147 3361 2332 366
【解説】
 全退院患者数は14,358人で、平均年齢は58.2歳となっています。70歳代が一番多く全体の約4分の1を占め、60歳以上の割合が全体の60%を超えるなど、地域の高齢化に対応した受け入れを行っています。
 一方で、本院は総合周産期母子医療センターを有し、周産期医療や小児医療にも力をいれており、10歳未満の割合が約10%を占めています。
 当院は地域の中核病院として幅広い年齢層の患者さんに沿った治療に努めています。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位3位まで)ファイルをダウンロード
内科(呼吸器)
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx9904xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 4あり 205 17.41 13.38 0.49% 72.93
040040xx9907xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 7あり 100 12.79 12.92 0.00% 68.23
040080x099x0xx 肺炎、急性気管支炎、急性細気管支炎(15歳以上) 手術なし 手術・処置等2 なし 97 10.88 14.34 3.09% 73.48
【解説】
 肺の悪性腫瘍の治療は関連学会のガイドラインを参考にして、症例ごとにその背景を考慮し、化学療法や放射線療法を実施しています。
 肺炎などの呼吸器感染症の治療は、当院感染症内科と協力し、関連学会のガイドラインを基に適切な治療を実施しています。さらに、合併症や併発病態に対する治療も合せて実施しています。

内科(血液)
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
130030xx99x40x 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等2 4あり 定義副傷病 なし 50 17.26 17.69 0.00% 58.72
130030xx97x40x 非ホジキンリンパ腫 手術あり 手術・処置等2 4あり 定義副傷病 なし 47 18.36 36.93 0.00% 65.72
130010xx97x2xx 急性白血病 手術あり 手術・処置等2 2あり 42 35.81 43.59 2.38% 59.60
【解説】
 近年、非ホジキンリンパ腫患者は増加しています。急性白血病患者もやや増加しています。当院では無菌治療室15床を有し、強力化学療法や移植などの治療を行っています。
内科(糖尿病)
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
100070xxxxxxxx 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) 81 13.78 15.35 1.23% 65.75
100180xx99000x 副腎皮質機能亢進症、非機能性副腎皮質腫瘍 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 22 8.00 6.55 0.00% 58.05
050140xx99x00x 高血圧性疾患 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 16 12.81 9.20 0.00% 61.81
【解説】
 内科(糖尿病内分泌代謝)では2型糖尿病や副腎性高血圧のDPCが多くなっています。1位の2型糖尿病では糖尿病教育とインスリン強化療法を行い、退院時には経口薬治療に切り替えて紹介元の医療機関に逆紹介しています。2位、3位は高血圧の原因として副腎腫瘍が疑われた症例であり、鑑別診断のための入院症例数は増加しています。
内科(腎臓・膠原病)
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110280xx99000x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 20 14.05 13.64 15.00% 69.65
110280xx991x0x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1 あり 定義副傷病 なし 13 7.23 7.47 0.00% 48.46
110280xx02x10x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 動脈形成術、吻合術 その他の動脈等 手術・処置等2 1あり 定義副傷病 なし 10 29.30 33.71 30.00% 64.60
【解説】
 内科(腎臓・膠原病)では、慢性腎不全によるDPCが多くなっています。高齢化による地域の慢性腎不全患者の増加に伴い、慢性腎不全に関連した疾患(急性増悪や高カリウム血症など)を合併し、入院薬物治療を行うケースが多くあります。
神経内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060x099030x 脳梗塞(JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 3あり 定義副傷病 なし 43 18.28 18.08 27.91% 77.63
010061xxxxx0xx 一過性脳虚血発作 手術・処置等2 なし 26 6.00 6.30 0.00% 75.31
010060x099000x 脳梗塞(JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 18 17.06 15.80 16.67% 74.67
【解説】
 神経内科では脳梗塞のDPCが多くなっています(1位、3位)。抗血栓、抗凝固療法とともに脳保護薬(ラジカット)も多く併用します。高齢者が多く、リハビリ継続目的に転院する患者さんが多くなっています。一過性脳虚血発作(2位)は集中的に検査を行い、頭頚部主要血管の状態を評価し、適切な治療、投薬を検討して早期退院を図っています。
消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060020xx04x0xx 胃の悪性腫瘍 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 手術・処置等2 なし 174 8.26 9.20 0.00% 74.02
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 67 10.93 10.93 0.00% 74.63
060140xx97x00x 胃十二指腸潰瘍、胃憩室症、幽門狭窄(穿孔を伴わないもの) その他の手術あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 63 7.67 11.00 3.17% 65.49
【解説】
 早期胃癌の内視鏡治療の症例が1位です。胃癌の内視鏡診断や治療に力を入れています。食生活の変化により、胆石を有する患者さんが増加し、胆嚢炎や胆管炎を発症する症例が2位です。当院では緊急内視鏡的ドレナージを施行しています。抗血小板薬や抗凝固薬を服用している患者さんが増加しており、消化管出血の症例が3位です。出血性胃十二指腸潰瘍に対して、緊急内視鏡的止血術を行っています。
循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050050xx99100x 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等1 1あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 331 2.40 3.07 0.00% 69.02
050130xx99000x 心不全 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 173 14.74 18.30 2.31% 79.90
050050xx0200xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 手術・処置等1 なし、1,2あり 手術・処置等2 なし 143 4.80 4.87 0.00% 69.80
【解説】
 狭心症、心筋梗塞など虚血性心疾患の患者さんで検査入院の患者さんが多数を占めています。その中で、高度冠動脈狭窄が判明した症例が3位の冠動脈形成手術の入院となっています。心不全による入院も2位と多くなっていますが、再入院も多く、高齢で、患者さん・原疾患によって回復も様々で在院日数が長くなっています。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040080x1xxx0xx 肺炎、急性気管支炎、急性細気管支炎(15歳未満) 手術・処置等2 なし 332 4.68 5.72 0.00% 1.49
140010x199x00x 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重2500g以上) 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 85 5.04 6.17 4.71% 0.00
150010xxxxx0xx ウイルス性腸炎 手術・処置等2 なし 78 3.45 5.50 0.00% 3.53
【解説】
 小児科ではウィルス性(特にRSウィルス)、細菌性、マイコプラズマなどの呼吸器感染の入院が最も多くなっています。ウィルス性腸炎も多く入院します。低出生体重児の入院は総合周産期母子医療センターのGCUやNICUで対応します。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060020xx01x0xx 胃の悪性腫瘍 胃全摘術 悪性腫瘍手術等 手術・処置等2 なし 115 14.17 20.63 1.74% 68.63
060035xx0100xx 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 87 14.43 17.41 2.30% 69.17
060335xx0200xx 胆嚢水腫、胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 84 6.40 7.84 0.00% 59.58
【解説】
 外科では胃の悪性腫瘍が最多となっています。(幽門側)胃切除術、噴門側胃切除術、胃全摘術、腹腔鏡下胃全摘術、腹腔鏡下噴門側胃切除術など、悪性腫瘍に対する切除術が含まれます。次いで結腸の悪性腫瘍が多くなっています。開腹下、あるいは腹腔鏡下の結腸悪性腫瘍に対する切除術が含まれています。3番目に多いのは胆嚢炎などに対する腹腔鏡下胆嚢摘出術となっています。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
070010xx010x0x 骨軟部の良性腫瘍(脊椎脊髄を除く。) 四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術等 手術・処置等1 なし 定義副傷病 なし 100 3.44 6.14 0.00% 56.18
160800xx01xxxx 股関節大腿近位骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 64 22.53 28.70 76.56% 80.34
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 51 28.88 27.21 7.84% 76.90
【解説】
 骨軟部の良性腫瘍摘出術(1位)は、腫瘍の部位によって局所麻酔または全身麻酔で行われます。局所麻酔で行われ後療法でリハビリが不要の症例がほとんどで、平均在院日数も3.44日と短いものとなっています。股関節大腿近位骨折(2位)は高齢者の大腿骨頸部骨折、転子部骨折が大多数を占めます。地域連携パス等を通じてリハビリ転院を行う症例が大多数を占めますが、合併症の治療などのため早期にリハビリ転院できない症例もあり、平均在院日数は22.53日になっています。股関節症(変形性を含む。)人工関節再設置術等(3位)は片側手術例・両側手術例を含みます。パスの日数で平均在院日数28.88日となり短縮が課題です。
形成外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080180xx99xxxx 母斑、母斑症 手術なし 46 2.70 3.26 0.00% 5.70
080007xx010xxx 皮膚の良性新生物 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)等 手術・処置等1 なし 29 9.86 4.38 0.00% 28.97
060565xxxxx0xx 顎変形症 手術・処置等2 なし 13 11.08 10.24 0.00% 24.62
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060x099030x 脳梗塞(JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 3あり 定義副傷病 なし 149 18.85 18.08 19.46% 73.46
010030xx9910xx 未破裂脳動脈瘤 手術なし 手術・処置等1 あり 手術・処置等2 なし 52 2.94 3.15 0.00% 63.58
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 46 10.61 10.02 10.87% 70.37
【解説】
 脳神経外科では急性期脳卒中、特に脳梗塞の入院数が最も多くなっています。発症4、5時間以内であればtPA投与による血栓溶解療法や緊急カテーテルによる血栓回収療法を超急性期治療として行うほか、通常の抗血栓療法、脳保護療法を行って予後改善を図っています。入院後臨床病型を確定し適切な抗血小板薬、抗凝固薬投与を行うとともに、主幹動脈に高度なアテローム硬化性病変を有する患者さんに対しては頸動脈ステントや頭蓋外内バイパス術を行うことで再発防止を図っています。
 脳ドック等により発見される未破裂脳動脈瘤の患者さんが次に多くなっています。動脈造影カテーテル検査を行い開頭術または血管内治療の内、個々の患者さんの状態に最善の方法を選択し合併症のない手術治療を目指しています。
呼吸器外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx97x0xx 肺の悪性腫瘍 手術あり 手術・処置等2 なし 151 7.18 13.03 0.00% 68.99
040200xx99x00x 気胸 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 22 6.09 8.28 4.55% 48.14
040200xx01x00x 気胸 肺切除術等 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 20 6.45 9.68 0.00% 31.70
【解説】
 肺がんの手術は年々増加していますが、患者さんの平均年齢も70歳に近くなり高齢化が進んでいます。また併存症を数多く抱えている患者さんも少なくありません。このため術前に呼吸器リハビリテーションを強化することにより、手術が安全に行うことができ、術後合併症が減り、術後の入院期間が短くなっています。
心臓血管外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050163xx03x0xx 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 ステントグラフト内挿術 手術・処置等2 なし 29 11.38 13.19 3.45% 71.93
050080xx01010x 弁膜症(連合弁膜症を含む。) ロス手術(自己肺動脈弁組織による大動脈基部置換術)等 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 1あり 定義副傷病 なし 28 22.50 25.69 7.14% 68.39
050050xx0111xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 心室瘤切除術(梗塞切除を含む。) 単独のもの等 手術・処置等1 1,2あり 手術・処置等2 1あり 16 20.00 28.59 0.00% 66.81
【解説】
 心臓血管外科では現在、動脈硬化性の腹部大動脈瘤が最も多くなっており、その殆どはステントグラフトを使用する、低侵襲の血管内治療となっています。この治療法の登場によって、今まで手術適応とならなかった高齢者や、心肺や腎臓などに障害を持つ高リスク症例も手術できるようになりました。2番目に多い疾患は、高齢化に伴う動脈硬化を伴う大動脈弁狭窄症や組織の脆弱化に伴う大動脈弁閉鎖不全、僧帽弁閉鎖不全などの弁膜症です。当院では、自己心膜を使用した大動脈弁再建術や僧帽弁形成術など人工弁を使用しない手術を多く行っています。3番目に多いのは狭心症や心筋梗塞に対する冠動脈バイパス手術です。薬剤溶出性ステントの登場により以前よりは減少しましたが、三枝病変や左冠動脈主幹部病変には必要な手技となっています。
乳腺外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
090010xx03x0xx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) 手術・処置等2 なし 78 6.82 6.79 0.00% 60.22
090010xx99x40x 乳房の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 4あり 定義副傷病 なし 74 4.70 4.66 0.00% 51.19
090010xx02x0xx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 単純乳房切除術(乳腺全摘術)等 手術・処置等2 なし 43 7.40 10.37 0.00% 61.12
【解説】
 乳腺外科では、乳房の悪性腫瘍に対しての治療がほとんどを占めています。1位と3位が、乳房の悪性腫瘍の手術になります。特に乳房部分切除が多くなっています。2位は、手術なしの入院ですが、具体的には、術後(術前)化学療法のための入院が主になります。化学療法は、初回治療の場合に入院するようになっています。
小児外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060150xx99xx0x 虫垂炎 手術なし 定義副傷病 なし 18 7.94 6.72 0.00% 10.00
060150xx03xx0x 虫垂炎 虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの等 定義副傷病 13 6.38 5.56 0.00% 11.38
140590xx97xxxx 停留精巣 手術あり 12 3.08 3.32 0.00% 2.67
【解説】
 小児外科で最も多い症例は鼠径ヘルニア(陰嚢水瘤・精索水腫)手術ですが、DPC対象症例ではないため上記の表には出てきません。
 虫垂炎の手術なしとは抗菌薬投与による保存的治療のことです。
皮膚科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080011xx99xxxx 急性膿皮症 手術なし 12 9.00 11.97 0.00% 57.75
080020xxxxxxxx 帯状疱疹 10 9.60 8.97 0.00% 69.30
080080xxxxxxxx 痒疹、蕁麻疹 - - 6.48 - -
【解説】
 急性膿皮症はおもに蜂窩織炎と丹毒で、抗生剤の投与を行います。帯状疱疹は年齢の高い方が多く、疼痛を緩和する治療を行います。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110070xx0200xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 138 6.84 7.59 0.00% 73.03
110080xx01x0xx 前立腺の悪性腫瘍 前立腺悪性腫瘍手術等 手術・処置等2 なし 109 13.20 14.03 0.00% 68.13
110310xx99xxxx 腎臓または尿路の感染症 手術なし 57 7.56 12.60 1.75% 67.12
【解説】
 1番多いのは、膀胱癌の内視鏡手術です。腫瘍の根の浅い表在性のものは数日の入院で治療可能です。2番目は前立腺癌に対する全摘術で、当院では内視鏡補助下の7㎝ほどの創での小切開術を行っています。また、原則当日から、離床や食事が可能な手術となっています。3番目は尿路感染症です。単純な腎盂腎炎、前立腺炎から、結石や腫瘍に伴うものまで多彩です。尿の通過障害を伴う際には、緊急処置が必要となります。
産婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120170xx99x0xx 早産、切迫早産 手術なし 手術・処置等2 なし 57 27.54 20.87 7.02% 30.49
120170xx01x0xx 早産、切迫早産 子宮破裂手術等 手術・処置等2 なし 50 40.78 31.78 0.00% 32.34
120010xx99x41x 卵巣・子宮附属器の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 4あり 定義副傷病 あり 45 8.38 12.05 0.00% 59.69
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020220xx97xxx0 緑内障 手術あり 片眼 121 3.65 9.57 0.83% 68.62
020220xx97xxx1 緑内障 手術あり 両眼 - - 15.18 - -
020240xx97xxx0 硝子体疾患 手術あり 片眼 - - 7.42 - -
【解説】
 眼科の入院で最も多いのは白内障ですが、DPC対象症例ではないため上記の表には出てきません。
 DPC対象症例で多いのは緑内障(上記1位、2位)です。両眼手術では、片眼手術し退院後、再入院し、もう片眼の手術を行っています。難症例の患者さんが多く入院期間が長くなっています。硝子体手術(3位)も行っています。
頭頚部・耳鼻咽喉科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030428xxxxxxxx 突発性難聴 80 6.10 9.60 0.00% 58.11
030240xx99xxxx 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 手術なし 66 5.20 5.53 0.00% 37.48
030150xx97xxxx 耳・鼻・口腔・咽頭・大唾液腺の腫瘍 手術あり 51 6.61 7.94 0.00% 56.53
解説】
 耳鼻咽喉科で1番多い疾患は急に耳が聞こえなくなる突発性難聴で、入院のうえステロイド治療を行います2番目に多いのは咽頭痛がひどく、ご飯も食べられなくなる急性扁桃炎や扁桃周囲膿瘍などです。3番目に多いのは耳下腺や顎下腺など唾液腺の腫瘍です。
放射線科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
100020xx99x2xx 甲状腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 2あり 18 4.00 6.82 0.00% 66.00
040040xx9902xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 2あり - - 26.02 - -
060010xx99x2xx 食道の悪性腫瘍(頸部を含む。) 手術なし 手術・処置等2 2あり - - 32.17 - -
【解説】
 放射線療法(外部照射・内用療法等)は、侵襲の少ない治療で、大半の症例が外来通院で実施可能です。当院で実施の放射線療法のうち、必ず入院で実施されるのが、放射線同位元素のヨウ素131(I-131)を使用するヨード内用療法です。目的は、甲状腺癌遠隔転移治療、及び甲状腺癌術後の残存甲状腺組織破壊です。甲状腺癌及び甲状腺組織がヨウ素を取り込む働きを利用し、放射線同位元素から発生する放射線(γ線)で、組織・病巣を破壊します。患者さんの体内に放射線が残存している一定期間、専用隔離病棟に入院が必要です。
救急科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
161070xxxxx00x 薬物中毒(その他の中毒) 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 31 3.29 3.58 3.23% 45.84
161020xxxxx00x 体温異常 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 12 9.08 5.26 0.00% 61.17
161000x199x0xx 熱傷・化学熱傷・凍傷・電撃傷(Burn Index10未満) 手術なし 手術・処置等2 なし 11 19.73 12.66 0.00% 44.55
【解説】
 救急科で扱うのは、多発外傷や呼吸循環の異常をきたすような重篤な病気の初期安定化と診断が主となります。その後、各診療科に引き継いで治療を行いますが、人工呼吸器管理や透析など、引き続き全身管理が必要な場合には救急科で集中治療を実施していきます。
 救急科として残るのがDPCで分類すると上記の3疾患になります。薬物中毒の多くは眠剤などの意図的な多量内服で、自損行為を伴うこともあります。体温異常は熱中症や低体温症ですが、高齢者の室内での発症が増えています。熱傷についても範囲や状態に応じて入院加療を行います。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 256 39 64 142 37 56 1 7
大腸癌 63 58 84 117 34 135 1 7
乳癌 96 83 31 13 - 36 1 7
肺癌 98 52 85 172 31 245 1 7
肝癌 - - - 11 16 68 1 7
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
【解説】
 初発と再発を合わせた患者数は肺癌が最も多く、次いで胃癌、大腸癌が多くなっています。初発の病期別では、肺癌や大腸癌StageⅣの末期癌が最も多く、次いでStageⅠの早期癌の患者数が多くなっています。一方、胃癌はStageⅠ、StageⅣの順で多くなっています。
 当院は都道府県がん診療連携拠点病院に指定されており、手術だけでなく、外来化学療法センターにおける抗がん剤の点滴治療や、放射線治療など、患者さんの希望に沿った治療法を選択し総合的な管理を行っています。また、緩和ケア病棟を有しており、患者さんの苦痛を和らげる緩和ケア治療の体制も整えています。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
重症度 0 16 8.13 55.44
重症度 1 24 13.38 71.67
重症度 2 39 14.62 78.79
重症度 3 31 16.39 80.84
重症度 4 15 15.87 86.33
重症度 5
不明 - - -
【解説】
 重症度は、2及び3の患者数が多くなっています。また、平均年齢をみると、重症度2及び3は80歳前後、重症度4は80代後半と、重症度が高いほど高齢になっています。
 高齢の患者さんの場合は症状がはっきりしない場合もあり、できるだけ早期に適正な抗菌薬の投与を心がけています。
脳梗塞のICD10別患者数等ファイルをダウンロード
ICD10 傷病名 発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
G45$ 一過性脳虚血発作及び関連症候群 3日以内 42 6.48 72.14 0.0%
その他 - - - -
G46$ 脳血管疾患における脳の血管(性)症候群 - - - - -
I63$ 脳梗塞 3日以内 308 23.64 75.14 27.62%
その他 36 18.36 74.64 0.87%
I65$ 脳実質外動脈の閉塞及び狭窄,脳梗塞に至らなかったもの - - - - -
I66$ 脳動脈の閉塞及び狭窄,脳梗塞に至らなかったもの - - - - -
I675 もやもや病<ウイリス動脈輪閉塞症> - - - - -
I679 脳血管疾患,詳細不明 - - - - -
【解説】
 脳梗塞の約9割の患者さんについて、発症から3日以内に来院され、治療を開始しています。
 脳梗塞の場合、早期に治療を行うことがより効果的とされております。迅速に治療を開始することで、早期のリハビリテーションを行うことができ、その後の患者さんのADL(日常生活動作)向上につながります。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位3位まで)ファイルをダウンロード
内科(血液)
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6113 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) 等 44 5.23 12.48 0.00% 66.14
K9212ロ 造血幹細胞採取(一連につき)(末梢血幹細胞採取)(自家移植の場合) - - - - -
K6262 リンパ節摘出術(長径3センチメートル以上) - - - - -
【解説】
 造血器腫瘍に対する治療は抗がん剤の長期投与も多く、植込型カテーテル設置が多くなります。また、当院では同種移植を主に行っていますが、多発性骨髄腫悪性リンパ腫では自家移植も行っています。リンパ腫が疑われた症例はほぼ全例でリンパ節を摘出し、診断を行っています。
内科(腎臓・膠原病)
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K610-3 内シャント設置術 13 9.00 23.62 23.08% 63.54
K608-3 内シャント血栓除去術 - - - - -
K620 下大静脈フィルター留置術 - - - - -
【解説】
 内科(腎臓・膠原病)では、慢性腎不全患者に対する血液透析を開始するために、ブラッドアクセス(主に内シャント設置術)を行うことがほとんどです。慢性腎不全で入院し、そのまま透析を要し手術を行うケースや、手術のためだけに入院するケースなどがあります。
消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術(早期悪性腫瘍粘膜下層) 148 1.32 6.28 0.00% 72.90
K654 内視鏡的消化管止血術 75 1.23 8.45 2.67% 66.96
K7211 内視鏡的結腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル未満) 58 1.26 1.19 0.00% 69.29
【解説】
 昨今の内視鏡機器の発展はめざましく、それと同時に内視鏡診断や内視鏡治療の技術も大きく進歩しています。当院では2016年4月に内視鏡センターを開設し、内視鏡的治療により積極的に取り組んでいます。
 胃癌の内視鏡治療・粘膜切除術が1位、消化管出血は最近増加傾向にあり消化管止血術が2位、結腸ポリープ・癌の内視鏡治療・粘膜切除が3位となっています。
循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他のもの) 118 1.33 3.20 0.00% 70.79
K5972 ペースメーカー移植術(経静脈電極の場合) 86 2.70 9.16 2.33% 77.74
K5492 経皮的冠動脈ステント留置術(不安定狭心症に対するもの) 70 0.20 10.04 2.86% 68.16
【解説】
 主要手術は待機的な冠動脈ステント留置術が多く、合併症も少なく、ほぼ予定在院日数での退院となります。3位の不安定狭心症に対する冠動脈ステント留置術は、急性心筋梗塞症例も含んだ救急来院症例のため術前日数は少なく、術後日数は多くなっています。高齢化に伴い、徐脈に伴う症状で救急外来に来院する患者さんが多く、ペースメーカー移植が2位になっています。
小児科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K9131 新生児仮死蘇生術(仮死第1度のもの) 35 0.00 33.34 11.43% 0.00
K300 鼓膜切開術 22 1.36 3.09 0.00% 0.86
K9132 新生児仮死蘇生術(仮死第2度のもの) 19 0.00 60.58 0.00% 0.00
【解説】
 当院は山形県唯一の総合周産期母子医療センターを開設しており、早産、低出生体重児、妊娠合併症をもった母親からの出生が多い病院です。小児科の新生児担当医が出生直後から大きく関わります。当科での新生児仮死蘇生術(1位、3位)はそのような新生児に対して行われるもので、子宮外の環境により良く適応するために行われています。小児の発熱の原因として急性中耳炎があり、その場合には鼓膜切開術(2位)を行い排膿します。
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 142 2.25 4.51 0.00% 60.93
K7193 結腸切除術(全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術) 86 5.81 11.64 4.65% 72.70
K6335 ヘルニア手術(鼠径ヘルニア) 77 1.42 2.17 0.00% 69.62
【解説】
 1位の腹腔鏡下胆嚢摘出術は、胆嚢炎および胆嚢結石症に対する手術です。開腹下の胆嚢摘出術は極めて限定的となっています。2位は結腸切除術で、結腸悪性腫瘍に対して施行されます。同じ大腸でも直腸悪性腫瘍に対する手術は別に算定されています。3位は鼠径ヘルニアに対する手術となっています。
 当科の疾患としては胃の悪性腫瘍も多いのですが、それに対する術式は病変の占拠部位で異なり複数の術式が含まれることから、コード別の術式としては上位3位までには入っておりません。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0301 四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術(躯幹) 等 86 1.36 1.31 0.00% 56.22
K0821 人工関節置換術(膝) 等 57 2.68 26.05 10.53% 76.37
K0461 骨折観血的手術(大腿) 等 55 2.36 19.73 72.73% 79.78
【解説】
 整形外科で1番多い手術は良性骨軟部腫瘍の手術で、別コードの骨腫瘍切除、四肢・体幹軟部腫瘍(足)などを含めると134件の治療実績があります。2位は人工関節置換術(膝)等で、対象となる患者さんの90%は変形性膝関節症です。平均年齢76.37歳と高齢の患者さんが多くを占めます。3位の骨折観血的手術(大腿)等の対象となるのは、高齢の方が転倒して生じる大腿骨頸部骨折、転子部骨折です。平均年齢も79.78歳とさらに高いものとなっています。
形成外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0052 皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径2㎝以上,4㎝未満) 等 13 1.23 6.15 0.00% 13.62
K0063 皮下腫瘍摘出術(露出部以外)(長径6㎝以上) 等 11 1.82 9.55 0.00% 43.09
K0102 瘢痕拘縮形成手術(その他) - - - - -
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 53 0.38 10.15 7.55% 72.34
K1771 脳動脈瘤頸部クリッピング(1箇所) 36 2.78 30.89 11.11% 64.42
K1781 脳血管内手術(1箇所) 32 1.22 24.47 12.50% 65.50
【解説】
 脳神経外科では慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術が最も多い手術となっています。高齢の患者さんが比較的軽微な外傷を負ったのち1−2ヶ月後に発症することが多く、動作緩慢、歩行障害、片麻痺、認知症などを機に受診されます。局所麻酔下に小穿頭を設け血腫を吸引除去洗浄したのちドレナージを留置します。多くの方が後遺症なくもとの生活に復し10日前後で自宅退院されますが、もともと超高齢であったり、認知症のある方はリハビリ転院が必要になる場合もあります。
 次いで、動脈瘤頸部クリッピングおよび脳血管内手術が多い手術となっています。破裂脳動脈瘤(くも膜下出血)の患者さんに対しては脳動脈瘤の部位や形状、患者さんの状態に応じ、開頭術と血管内治療を適切に選択し予後改善を図っております。また未破裂脳動脈瘤の患者さんに対しては、脳動脈瘤の性状に加え患者さんの希望に添って双方の治療を使い分け合併症を来すことなく、最小限の侵襲で治療できることを目指しています。
呼吸器外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K514-23 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超えるもの) 60 1.45 4.85 0.00% 68.08
K5143 肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超えるもの) 32 1.50 6.16 0.00% 68.91
K514-21 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(部分切除) 31 1.84 3.65 0.00% 71.10
【解説】
 肺がん症例数は年々増加しています。しかし術前評価を十分に行うこと、患者さんの状態にあった手術を行うこと、肺がんの進行度に対して適切な術式を行うこと、術前呼吸器リハビリテーションを強化することで、術後在院日数は5日程度と米国なみに短くなっています。可能な症例に対しては胸腔鏡を用いて手術を行っていますが、根治性と安全性を最重要視して手術を実施しています。
心臓血管外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5611 ステントグラフト内挿術(胸部大動脈) 25 4.40 15.56 4.00% 70.16
K5612 ステントグラフト内挿術(腹部大動脈) 24 2.50 6.13 4.17% 71.13
K5522 冠動脈、大動脈バイパス移植術(2吻合以上) 20 3.40 15.55 5.00% 65.20
【解説】
 1番多い手術は、胸部大動脈瘤に対するステントグラフト使用した血管内治療です。低侵襲治療で高齢者や、心肺や腎臓などに障害を持つ高リスク症例も手術できるようになりました。2番目も腹部大動脈瘤に対するステントグラフト手術となっています。3番目に多いのは狭心症や心筋梗塞に対する冠動脈バイパス手術です。薬剤溶出性ステントの登場により以前よりは減少しましたが、三枝病変や左冠動脈主幹部病変には必要な手技となっています。
乳腺外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K4762 乳腺悪性腫瘍手術(乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの)) 79 1.30 4.54 0.00% 60.37
K4763 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術(腋窩部郭清を伴わないもの)) 42 1.40 5.14 0.00% 61.29
K4765 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術(腋窩鎖骨下部郭清を伴うもの)・胸筋切除を併施しないもの) 24 1.00 7.08 0.00% 59.17
【解説】
 乳腺外科では、乳腺悪性腫瘍の手術がほとんどです。その中でも、乳房部分切除でかつ腋窩リンパ節郭清省略が1位です。2位は、乳房切除(全摘)でかつ腋窩リンパ節郭清省略。3位は、乳房切除かつ腋窩郭清を伴うものとなっています。全体的に乳房温存(部分切除)やリンパ節郭清省略のセンチネルリンパ節検査など縮小術の傾向があります。
小児外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6335 ヘルニア手術(鼠径ヘルニア) 66 1.03 1.00 0.00% 3.98
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) 13 0.62 4.77 0.00% 11.38
K836 停留精巣固定術 12 1.00 1.08 0.00% 2.67
【解説】
 小児外科で最も多い手術は鼠径ヘルニア(陰嚢水瘤・精索水瘤)手術です。腹腔鏡下虫垂切除術は、上記2位の虫垂周囲膿瘍を伴わないもの13例と、上記にない虫垂周囲膿瘍を伴うもの6例があり、計19例となります。
 鼠径ヘルニア(陰嚢水瘤・精索水瘤)と停留精巣の手術は、原則として3日間の入院で行っています。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036ロ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(その他のもの) 141 2.02 4.07 0.71% 73.12
K843-3 腹腔鏡下小切開前立腺悪性腫瘍手術 88 1.35 10.85 0.00% 68.34
K768 体外衝撃波腎・尿管結石破砕術(一連につき) 54 0.00 1.00 0.00% 57.81
【解説】
 1番多いのは膀胱癌の内視鏡手術です。腫瘍の根の浅い表在性のものは数日の入院で治療可能です。2番目は前立腺癌に対する全摘術で、当院では内視鏡補助下の7㎝ほどの創での小切開手術を行っています。また、原則当日から、離床や食事が可能な手術となっています。3番目は、尿、尿管結石に対する対外衝撃波による結石破砕治療です。レーザーによる内視鏡手術とともに多数行っています。
産婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8981 帝王切開術(緊急帝王切開) 83 18.49 8.02 0.00% 31.11
K867 子宮頸部(腟部)切除術 68 0.04 3.04 0.00% 39.25
K877 子宮全摘術 53 1.11 7.40 0.00% 47.43
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)(その他のもの) 357 0.97 1.00 0.00% 75.55
K2682 緑内障手術(流出路再建術) 105 0.93 1.01 0.00% 68.49
K2684 緑内障手術(緑内障治療用インプラント挿入術)(プレートのないもの) 16 0.75 5.38 0.00% 67.44
【解説】
 眼科で1番多いのは白内障手術です。2番目は緑内障手術の流出路再建術です。濾過手術よりも眼圧下降効果は弱いものの、重篤な合併症が少なく、白内障手術との同時手術も行われています。3番めは緑内障手術の濾過手術にミニチューブの挿入を追加したものです。眼圧下降効果が強く、術後合併症である低眼圧を減らすことができます。
頭頚部・耳鼻咽喉科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K3772 口蓋扁桃手術(摘出) 55 1.02 6.24 0.00% 21.15
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術3型(選択的(複数洞)副鼻腔手術) 41 1.37 5.00 0.00% 60.63
K4632 甲状腺悪性腫瘍手術(全摘及び亜全摘) 22 1.27 11.77 0.00% 62.41
【解説】
 耳鼻咽喉科で最も多い手術症例は、くり返す扁桃炎や無呼吸の治療として口蓋扁桃摘出術です。小児の扁桃摘出術も多いため、平均年齢は21歳と若くなっています。2番目に多いのは慢性副鼻腔炎(蓄膿症)の手術です。内視鏡下の鼻内手術を行っています。3番目に多いのは甲状腺癌の手術です。当院は拡大手術も行っており、咽頭全摘まで必要な症例や呼吸器外科と縦隔郭清を行う症例もあります。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる 43 0.30%
180010 敗血症 同一 36 0.25%
異なる 31 0.22%
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 76 0.53%
異なる 14 0.10%
【解説】
 医療の質の改善に資するため、臨床上ゼロにはなりえないものの少しでも改善すべきものとされる感染症及び合併症の発生率を示したものです。
 厚生労働省による平成26年度全国DPC対象病院データ集計では、全症例に対する割合は播種性血管内凝固症候群が0.17%、敗血症が0.56%でした。時点は異なりますが、全国値に比べ、当院は三次医療機関としてリスクの高い患者さんを受け入れることもあり播種性血管内凝固症候群は高く、また、敗血症は低くなっています。
 手術・処置等の合併症は、8割以上が入院契機病名と同一であり、合併症治療のために入院される患者さんが多くなっています。当院では退院後、外来で経過観察を行い、合併症が発生した場合にはそのフォローに対応しています。

[手術・処置等の合併症]
LPシャント機能不全、VPシャント感染症、VPシャント機能不全、VPシャント機能不全の再発、カテーテル感染症、 カテーテル留置による尿路感染症、ペースメーカ植え込み後感染症、ペースメーカ植え込み後皮膚圧迫壊死、下腿手術創離開、後出血、左アキレス腱術後創部感染、左人工膝関節感染、左膝人工関節のゆるみ、左脛骨腫瘍性人工関節の破損、手術創部膿瘍、手術創離開、術後感染症、術後血腫、術後後出血、術後出血性ショック、術後消化管出血性ショック、術後創部感染、術後腹腔内膿瘍、生検後出血、前胸部術後創部感染、体内関節プロステーシスの機械的合併症、中心静脈カテーテル感染症、透析シャント動静脈瘤、透析シャント閉塞、尿管ステント交換後腎盂腎炎、吻合部狭窄、縫合不全、予防接種後発熱、膵管吻合部狭窄
更新履歴
2016.9.29
病院指標を掲載しました。
2016.10.25
外科の解説文を更新しました。