ホーム > 診療科のご案内 > 脳神経外科 > 未破裂脳動脈瘤

受付時間のご案内

  • 受付時間:8:00~11:30

診療医は診療担当表をご確認ください。

山形県立中央病院にご用命の際はこちらをご覧ください

受付時間のご案内

  • 面会受付:13:00~16:30

山形県立中央病院にご用命の際はこちらをご覧ください

診療科・部門のご案内

未破裂脳動脈瘤:脳神経外科

未破裂脳動脈瘤について

 未破裂脳動脈瘤はくも膜下出血の原因となることのある脳血管の異常で、脳ドックのほか、頭痛・めまい・頭部外傷などを契機にMR検査やCT血管撮影で発見させる機会が増えてきました。ふだん何の症状もなく生活されている30歳以上の方のうち、約3%の割合で未破裂脳動脈瘤が発見されると言われており、高血圧や喫煙歴、家族歴を持った方に多いと言われています。日本脳神経外科学会が主導した全国規模の前向き観察研究(UCAS-Japan)によれば、全未破裂脳動脈瘤のうち年間約1%の動脈瘤が破裂してくも膜下出血を発症するとされ、動脈瘤の大きさや発生部位によっては更に危険性が高いことが示されました。

 くも膜下出血を発症した場合、重症であれば命に関わることもあり、後遺症なく治る方は全体の1/3にも及びません。日本脳ドック学会によれば、大きさが5-7mm以上の瘤や、それ以下の大きさでも瘤の部位や形状によっては、予防的手術を勧めるべきだとされています。逆に小さな動脈瘤など破裂の危険が大きくないと考えられる動脈瘤の場合には、増大や形状変化の有無に関してMR検査などの経過観察を受けて頂くことになります。

 未破裂脳動脈瘤に対する治療には、開頭によるクリッピング手術と脳血管内手術の2つの方法があります。前者は全身麻酔下に開頭し、動脈瘤の頸部にクリップをかける方法で、後者は全身麻酔または局所麻酔下に大腿動脈経由で動脈瘤内に細いカテーテルを入れ瘤内にコイルを充填して瘤を内側から塞ぐ方法です。開頭手術での到達が難しい部位の動脈瘤やご高齢、基礎疾患を有するなど低侵襲な治療が相応しい患者さんでは、脳血管内手術を行っております。バルーンやステントなど最新のデバイスを併用することで、従来治療が難しかった広頚動脈瘤や大型動脈瘤も対処可能となっております。

開頭クリッピング術

開頭クリッピング術

未破裂脳動脈瘤に対するステント併⽤コイル塞栓術

開頭クリッピング術

 それぞれの方法に利点・弱点があるため,年齢や基礎疾患、動脈瘤の部位・大きさ・形状などから総合的に判断し、個々の患者さんにとってより適切な方法を選択して治療させて頂くことになります。治療方法と予測される危険性、入院時期、期間(概ね開頭術の場合2週前後、血管内治療の場合1週間以内)などに関し詳細な説明を行いながら、患者さんのご希望を伺って相談して行くこととなります。

山形県立中央病院 脳神経外科 未破裂脳動脈瘤手術数の推移

開頭クリッピング術

 未破裂脳動脈瘤に対する予防手術の件数は増加傾向にあり、当院では年間30人前後の方が手術を受けております。2/3の方が開頭クリッピング術で、残る1/3の方は脳血管内手術で治療されています。2016年12月までに当院で治療を終えた256人の患者さんは、2名の方が軽微な症状を来たしましたが、254人(99%)の方は新たな神経学的異常なく元の社会生活に復帰されました。脳血管内手術が行われた患者さんのうち2人の方は再発に対する追加治療が必要となりましたが、それによる症状出現はありませんでした。

山形県立中央病院のページトップへ移動する