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クリニカルパスのご案内

クリニカルパスとは?

患者用のクリニカルパスクリニカルパス」という言葉を聞いても皆様には馴染みがないと思いますが、治療内容を詳細に示したスケジュール表のようなものといえば理解しやすいかもしれません。当院では数年前からクリニカルパス推進委員会(委員長:星 宣次)が中心となってクリニカルパスを積極的に導入しています。ここでは当院におけるクリニカルパスの現状についてご紹介させていただきます。

クリニカルパスについて

1960年ころに、米国で効率のよい製造作業を行うことを目的とした"クリニカルパス"という経営工学的な手法が考案されました。要するによく計画された作業工程表のようなものです。これを使用することによって作業の効率性が向上するばかりではなく品質の安定性も増すなど、その有益性が高く評価され、この考え方が産業界で広く利用されるに至りました。

昨今、医療費の高騰が問題となっていますが、そのためには効率のよい医療を行うことが最も重要な課題となっています。しかし、効率性を追及するあまり、医療の質が落ちたり、医療の安全性が確保できなくなったりしては問題です。そこで、これらを解決する手段として、産業界で導入されているクリティカルパスの手法を医療に取り入れる試みがなされました。これを医療界におけるクリティカルパス、すなわち "クリニカルパス"と呼んでいるわけです。治療内容を詳細に示したスケジュール表のようなものといえば理解しやすいかもしれません。

クリニカルパス導入の利点は?

クリニカルパスはそもそも効率性の追求という側面があります。したがって、その利点として医療費などの経済的な理由を第一に思い浮かべるかもしれません。事実、クリニカルパスを導入することによって無駄な医療が避けられるという利点はあります。しかし、それだけではありません。クリニカルパス導入は医療を受けられる方々の利便性の向上にも大きく貢献しているのです。
先に述べたように、クリニカルパスは治療内容を詳細に示したスケジュール表のようなものです。参考までに、当院の患者さん用のパス(図1)と医療者用のパス(図2)を呈示しました。

入院治療を受ける場合に、どのような手順で治療するのか、お風呂は入れるのか、あるいは食事はどうなのかなど、入院生活の詳細は入院前にはなかなか理解しにくいものです。クリニカルパスには入院生活に関して様々な項目別に具体的にわかりやすく示してありますので、これを見ればおおよその入院生活がイメージできるのではないかと思います。
また、どのくらいの医療費がかかるのかなども不安に思う方もいると思います。この点、パスには診療の標準的な手順が示されていますので、それに掛かる医療費を概算することも不可能ではありません。

医療がどんどん高度になると医療そのものが複雑になり、結果的に1人の患者さんに関係する医療者側の人員も多くなります。したがって各自の統制がとれた医療を行わなければ効率のよい良質の医療は提供できないのみならず、医療事故にもつながりかねません。クリニカルパスは、各部門の医療者にも診療の内容がわかりやすく工夫されていますので、我々医療者にとっても統制の取れたチーム医療を行う上で非常に便利です。もはや医療を効率よくかつ安全に行うためにはクリニカルパスは必需品といっても過言ではないのです。

当院のクリニカルパスの現況と将来

平成14年にクリニカルパスが導入されて以来、平成17年6月現在で120のクリニカルパスが作成され、準備中のものが約10あります。実績として全入院数の約40%がクリニカルパスに基づいて診療を行っている現状です。
これらの管理・運用は当院のクリニカルパス推進委員会(委員長:星 宣次)が中心に行っています。委員会としては、クリニカルパスの施行割合をさらに高めていくことを当面の目標として掲げ、近い将来にはクリニカルパスを電子化して運用することも検討しています。

(文責:クリニカルパス推進委員中村正)

患者さん用のクリニカルパス

図1.患者さん用パス

医療者用のクリニカルパス

図2.医療者用パス

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