1.肺悪性疾患:肺癌、転移性肺腫瘍
A) 早期肺癌,転移性肺腫瘍:低侵襲手術としての肺腔鏡手術(肋骨を切離せず、小さな創で手術を行うので、術後の創部痛が軽度で回復も早い利点がある)、縮小手術(部分切除や区域切除など、今までより肺切除量を減らす工夫を行った手術で、呼吸機能の温存が図れる)を積極的に導入している。 B) 進行肺癌:拡大手術(両側縦隔郭清、複数臓器の摘出)や、集中的治療としての放射線治療や化学療法の併用を行っている。
C) 高齢者肺癌:75歳以上の患者さんでも、身体的状況に応じて適切な外科治療を選択しており、非高齢者に遜色のない治療効果が得られている。
2.肺良性疾患:気胸、肺嚢性疾患、肺膿瘍など
胸腔鏡を積極的に用いて、小さな創出で治療を行っている。
| 3. | 縦隔疾患:胸腺腫、胸腺癌、縦隔奇形腫、胸腔内甲状腺腫、神経原性腫瘍、嚢胞性縦隔腫瘍、悪性胚細胞性腫瘍 |
A) 良性縦隔腫瘍:主に胸腔鏡を用いて小さな創で手術。 B) 悪性縦隔腫瘍:放射線、化学療法を組み合わせて、拡大手術(拡大縦隔郭清、複数臓器切除)で根治手術を行う。
4.胸壁、胸膜疾患:悪性胸膜中皮腫、転移性胸壁腫瘍など
まれな疾患ではあるが、適切な診断と治療方針で状況に応じた手術を行う。
5.気道疾患:癌や炎症による気管及び気管支狭窄
外科治療(切除再建)のほかに、ステントを用いて狭窄部を解除し、 quality of life が得られるように努力している
6.胸部外傷:主に交通事故による多発性肋骨骨折、肺挫傷、血気胸、横隔膜損傷など
麻酔科と連携し、適切な呼吸管理を行い、状況に応じた外科的治療で対処している。
* 当院での呼吸器外科の特徴
特に肺癌は高齢者の癌といわれ、患者さんの多くは癌の他にいろいろな合併症(心臓疾患や糖尿病、慢性気管支炎など)を持っていることが多い。当科では、総合病院の利点を生かし、他の診療科と密接に連携し、胸部疾患の治療を全身的・総合的に判断しながら、術後合併症のより少ない外科的治療を心がけている。