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[ 2024.10.29 ] [ 研修内容の報告, 研修医の日々の様子 ]

ブログをご覧の皆さま、こんにちは。研修医1年生です。つい先日までは夏のような陽気が続いて半袖で過ごしていたのに、急に気温が下がりましたね。もう羽織りものがないと肌寒く感じる日々が続いています。そろそろ衣替えをしなくては、と思いつつ、日々に紛れて延び延びにしてしまっています。

さて、山形県中での初期研修はとても充実していて、先生方も医療スタッフの皆さんも大変丁寧に私たちを指導してくださいます。整形外科での関節穿刺や麻酔科でのAライン挿入など、その科ならではの手技も積極的に挑戦でき、非常に勉強になります。おかげ様で、入職してすぐは大変覚束なかった手技の数々も少しずつ上達してきたように感じています。
私は現在血液内科をローテーションしています。血液内科ならではの手技といえば骨髄穿刺です。患者さんの上後腸骨棘から穿刺針を刺入し、骨髄液を吸引します。手技自体は15分程度で行えるもので、先生方のご指導の下、ローテーションの初日から何度も挑戦する機会をいただいておりました。どんな手技でもそうですが、骨髄穿刺を行う上でいちばん大事なことは「しっかりとした下準備」です。「しっかりとした下準備」とは、消毒前に患者さんの腰を丁寧に触診し、適切な穿刺部位を探ること、必要物品が揃っているか確認すること、患者さんへ「これからこんな処置をしますよ」とお声がけすること。特に必要物品の多くは看護師の方にご準備いただきますが、それらを清潔を保ったまま受け取ったり、自分が手技をしやすいように設置したりするのには慣れや心の余裕が必要です。

スターバックスコーヒー よく「手技は準備がきちんとできれば8割成功したようなもの」といいますが、本当にその通りだと思っています。実際の穿刺の前に、「これなら滞りなく手技ができる!」と思えるくらい、丁寧に準備を整えることができれば、手技の最中も心穏やかでいられることが多いと思います。心にゆとりがあることで、手技が成功する確率が上がるというのが、この格言の由来なのではないでしょうか。今後も手技の際には準備をしっかり行うことを心掛けていきたいです。

写真は先輩方に倣ってのスタバです。というのも、こんな記事を書いたのに、今回は骨髄液の吸引ができず落ち込んでいまいした。指導医の先生に失敗の原因を伺うと、いわゆるdry tapかもしれないとのこと。落ち込む私を見かねて指導医の先生がスタバに連れて行ってくださいました。そのスタバというわけです。
ちなみに、”dry tap”自体は血液疾患治療中の患者さんだったので、あり得る経過です。手技中に起こるだろう現象を予習することも、手技中に慌てないためには大事です!