診療科・部門のご案内

麻酔科

基本方針

麻酔科は手術中の麻酔を担当する科として発展してきました。麻酔とは、手術による痛みを取ることだけが目的ではなく、手術中の呼吸や循環の維持などの全身管理も含んでおり、安全に手術を行えるようにすることが麻酔科の仕事です。また、単に手術を無事に終わらせるだけでなく、手術が終わった後の鎮痛法や、術後の呼吸・循環・脳神経系などの合併症を最少とする努力も手術中から始まっています。

現在、当院麻酔科は常勤医4名と後期研修医2名の6人です。昨年の手術件数は4646件であり、山形県内で最も多い手術件数です。そのうち全身麻酔は2525件であり、外部からの応援医師や外科系各科の協力も得て対応しています。当院は山形県の基幹病院として県内全域から患者さんが紹介されてきます。手術の対象となる患者さんは新生児から90歳を超える高齢者まであらゆる年代におよび、重症の合併症(特に心・肺・脳血管合併症)のある患者さんの手術も増えています。また、救命救急センターを併設しているため緊急手術も多く、より高度な麻酔管理が求められます。当院には、集中治療室など、難しい手術に対する体制も充実しており、各診療科の専門医と連携しながら、最良の医療が提供できるよう努めています。

痛みをとる方法や呼吸や循環を管理する技術は、手術室麻酔ばかりでなく、ペインクリニックや集中治療などにも応用され、麻酔科の守備範囲は広がっています。しかし、マンパワーの不足からペインクリニック外来は行っていません。また、集中治療に関しても、現在のところ集中治療室への専任医師を配置する余裕はありませんが、初代の麻酔科長の鏡先生の「挿管したら抜管までみる」の方針を受け継ぎ、集中治療室では術後の呼吸管理を主に行っています。

診療内容・特徴

麻酔の安全のために最も重要なことは確実な気道の確保です。換気困難が予測される場合や、嘔吐・誤嚥のリスクの特に高い患者では意識下挿管が安全な方法とされています。しかし、従来の方法では難しい手技が要求され、患者さんの苦痛も相当なものでした。このため、意識下挿管は極めて限られた症例でのみ行われてきました。当院では、数年前からレミフェンタニルとエアウェイスコープを用いた意識下挿管を行っています。この方法は特別な訓練の必要がなく簡便に施行でき、患者さんの苦痛も大きく改善されます。これまでに200例以上に行い、その有用性が確認されつつあります。

麻酔の安全と共に術後の疼痛管理も重要な課題です。術後鎮痛には硬膜外麻酔が最も有効とされてきました。このため、適応のある患者さんにはできる限り硬膜外麻酔を行ってきました。しかし、最近では術前の合併症のためや術後肺塞栓予防のために抗凝固薬や抗血小板薬を投与されることが多くなってきています。このような患者さんでは硬膜外麻酔を行うことが危険であるため、術後の鎮痛に苦慮します。このような場合に脊髄くも膜下オピオイド投与が術後の鎮痛に有効であることが見直されつつあります。私どもも一昨年よりこの方法を応用し良好な結果を得ています。また、超音波診断装置の精度の向上などの結果、より安全かつ有効な神経ブロックが可能となり注目されています。当院でも各種神経ブロックの応用も進め、より良い麻酔と術後鎮痛を提供できるよう努力していきたいと考えています。

当院は研修医を育てる教育病院としての性格も持っています。麻酔の研修では指導医と研修医の一対一の指導を行い、麻酔の安全を確保しながら、小児や心臓麻酔にいたるまで経験できる充実した研修となるよう努めています。当院は山形県の中心的な病院であり、手術件数も多く、その内容も多岐にわたっています。麻酔科の専門医を目指す医師にとっても良い機会を提供できるものと考えます。

スタッフのご紹介

星 光

昭和57年卒
中央手術部副部長

麻酔科標榜医
日本麻酔科学会指導医
日本集中治療医学会専門医
医師臨床研修指導医

 
山川 美樹子

昭和61年卒
救命救急センター
診療部副部長
ICU室長

麻酔科標榜医
日本麻酔科学会指導医
日本ペインクリニック学会認定医
医師臨床研修指導医

 
星川 民恵

平成12年卒
救命救急センター
医長

麻酔科標榜医
日本麻酔科学会専門医

 
鈴木 博人

平成15年卒
医長

日本麻酔科学会専門医

 
金田 卓也

平成18年卒

麻酔科標榜医
日本麻酔科学会認定医
日本医師会認定産業医

超音波ガイド下神経ブロックに取り組んでいます
熊谷 道雄 平成21年卒  

術例・治療例

術例・治療例名 件数 備考
麻酔科管理症例 1838  
 全身麻酔(単独) 1146  
 全身麻酔(硬膜外麻酔併用) 519  
 全身麻酔(脊髄くも膜下麻酔併用) 98  
 脊髄くも膜下麻酔、硬膜外麻酔 75  
緊急手術 312  

(平成21年)

年齢

年齢 件数 備考
5歳以下 163 1歳未満:19例
6~15歳 109  
16~65歳 747  
66~79歳 646  
80歳以上 173 最高齢:96歳

(平成21年)

診療科

診療科名 件数 備考
外科 556 緊急手術:150例
整形外科 127  
形成外科 163  
脳神経外科 114 緊急手術:44例
呼吸器外科 171  
心臓血管外科 179 緊急手術:31例
泌尿器科 144  
産婦人科 89 緊急手術:35例
耳鼻咽喉科 262  

(平成21年)

施設認定

  • 日本麻酔科学会認定施設
  • 日本集中治療医学会専門医研修認定施設

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