放射線部
X線単純撮影系
Q なぜ服を脱ぐ必要があるのですか?
X線写真では、X線を通しにくい金属類が白く写ります。逆に水や空気など、X線を通しやすいものは黒っぽく映る性質があります。そのため、ブラジャーのように金属のついた下着や洋服は、金具の部分がそのまま体と重なって見え、邪魔な影となってしまいます。また、シップなどのような張り薬は硬くはありませんが、その独特な質感のため何が写ってしまったかがわかりにくく、体の異常と捉えられてしまう恐れがあります。最近では、Tシャツなどの特殊な塗料で描かれたプリントも写りこんでしまうため注意が必要です。
Q 写真を撮るとき、関節を曲げたり腕の位置を動かしたりするのはどうして?
体中の骨や関節は、全てその撮影方法が決まっています。患者さんの状態や実際の写り具合によって多少変則的に撮影することもありますが、目指すところは「見たいところが見える写真」「診断に必要な情報が得られる写真」であることに変わりはありません。そのため、関節を曲げたり体を斜めにしたりして写真を撮ります。
Q 入院中、となりの患者さんがベッドでレントゲンを撮っていました。私も被ばくしたのでは?
基本的にX線の照射は専用の部屋で行うよう法律で定められています。しかし、具合が悪い方や手術後の方などは病室でX線写真を撮ることが認められています。この場合、同じ部屋の中にいる人が有意な被ばくを受けることはありません。多くの場合が胸部や腹部の写真なのですが、2m以上離れていれば被ばくの影響は無いものと言えます。必要に応じて他の方には一時的な退室をお願いしていますが、仮に1m離れた場所で撮影が行われたとしても、健康被害を考えるような被ばくには到底及びませんので心配はいりません。
Q 入院中、毎日のようにレントゲンを撮っていたようだが大丈夫?
手術後の患者さんや特に具合が悪い場合、また集中治療室に入院している場合などは連日X線写真を撮影することがあります。このような方は状態が日ごと変化することがあります。容態の把握、治療方針の確認等のため必要な情報であり、それが被ばくというデメリットを大きく上回っているので撮影します。このようなケースでは主に胸部写真を撮影しますが、それにより健康被害を考えるような被ばくには及びません。
Q 痛いのは片方だけなのに、両方の写真を撮ったのはどうして?
左右差を確認したい場合、両側の撮影を行うことがあります。また、骨腫瘍が疑われる場合は多発性もしくは両側性の可能性もあるので、痛みがある側だけでなく両方を撮影することがあります。
Q 息を吸ったり吐いたりするのはどういう意味があるのですか?
主に胸やお腹の写真の際、吸ったり吐いたりして写真を撮影します。
胸部の場合は息を吸うことで肺をしっかり広げ、病変と血管や細気管支を分離して見やすくする意味があります。
腹部の撮影では息を吐いて撮影します。息を吐き出すことで腹部は上方向に広がり、様々な器官を分離して映し込むことができます。また、腹部全体が幾分薄くなることで写真コントラストが向上し、見やすい写真となるのです。
Q 同じ部位を、立ったり寝たりで撮影するのはどうして?
体内には、腸の中にガスがあります。また、病気の影響で水がたまったり、石ができたりもします。これらは姿勢を変えることで移動するので、より異常を発見しやすくなります。
関節などでは、体重を支えている状態とそうでない状態とを比べることで病状を把握することもあり、姿勢を変えて撮影されます。