栄養管理室
栄養管理室
栄養管理室では、患者さん一人ひとりの栄養状態や病態を考慮し、治療に適した食事の提供と栄養管理を行い、栄養改善に努めています。
栄養管理計画にあわせた栄養食事指導、食事の調整などを行っています。
栄養管理室ビジョン
病院機能と室の高い医療を支える、
一人ひとりに対応した適正な栄養管理と
満足度の高い食事の提供
入院中の食事について
入院中の食事は当院で用意いたします。適正な食事や正しい食習慣を体験していただく良い機会であることと、食中毒防止の面から、食物、特に生もの等は自宅からお持ちにならないようにお願いしております。
1.食事の種類
患者さんの症状に即した食事を提供しております。
大きくは「一般食」、「特別食」の2種類に分けられ、約200種類の食事を準備しています。
食事療法が必要な方については、担当医師の指示により、「特別食」を召し上がっていただきます。
一般食 | 成人常食、成人常ハーフ食、軟菜食、軟菜ハーフ食妊婦食、学童食、幼児食、離乳食、ミルク5分粥食、3分粥食、重湯食食欲不振対応食(ほほえみ食・低刺激ほのぼの食・プチセレクト食・さわやか食)、くし食摂食・嚥下障害対応食(嚥下調整食1j(ゼリー食)、嚥下調整食2(ピュレ食)、嚥下調整食3(ムース食)、嚥下調整食4(やわらか食)流動食 | ||
特別食 | 食事の種類 | 対象となる疾患 | 特 徴 |
エネルギーコントロール食 | 糖尿病、高度肥満症、脂質異常症、肝臓疾患、痛風等 | 1200・1440・1600・1840・2000kcalの5段階。身長・労作等により指示 | |
塩分コントロール食・高血圧食 | 心臓病、高血圧症、脳血管疾患等 | 食塩相当量は6g未満、エネルギーも上記の5段階に調整 | |
たんぱくコントロール食 | 腎臓病、糖尿病性腎症、肝臓疾患等 | 食塩相当量6g未満、たんぱく質を30~60gに調整した食事 | |
透析食 | 透析が必要な疾患 | 食塩相当量・水分・カリウム・リン等を調整した食事 | |
脂質コントロール食 | 膵臓、胆嚢疾患 | 脂肪を制限(2~40g)した食事 | |
潰瘍食・消化管術後食 | 胃・十二指腸・食道潰瘍とその手術後 | 重湯・3分・5分・全粥・米飯までの消化のよい食事 | |
BCR・加熱食 | 無菌室(BCR)入室時、白血球減少時 | 加熱調理し生菌数を減らした食事 | |
低残渣食 | クローン病、潰瘍性大腸炎等 | 食物繊維を控えた残渣の少ない食事 | |
貧血食 | 鉄欠乏性貧血 | 鉄分20㎎以上に調整した食事 |
2.食事サービスについて
朝食:7時45分 昼食:12時 夕食:18時
食事は保温保冷配膳車により、あたたかい料理はあたたかく、冷たい料理は冷たい温度でお届けします。
病態や嗜好を考慮し、必要に応じて個別に食事調整しています。
治療に支障がない範囲で下記の対応を行っています。
特別食では対応できない場合もあります。
①主食…米飯、軟飯、お粥、パン、おにぎり等があり、小盛や大盛の対応もできます。
②牛乳…牛乳が飲めない場合にはヨーグルト等に変更できます。
③各種食物アレルギー等にも対応しています。
3.特徴ある食事の提供
●食欲不振対応食
がん化学療法、放射線療法やつわり等により、食事がとれない方向けの食事
ほほえみ食、低刺激ほのぼの食、さやわか食、プチセレクト食、単品食などがあります。
<食欲不振対応食一覧>
●摂食・嚥下障害対応食
飲み込みや噛む力が弱い方向けの食事
●くし食
利き手が使えない場合の方向けの食事

4.うるおいを感じていただくための食事の工夫
①行事食
土用の丑の日、正月などの催事に合わせた行事食を提供し、季節感とうるおいを感じていただいております。
毎月28日は「つや姫」を使用しています。
[土用の丑の日]
つや姫・すまし汁
うなぎ蒲焼き・辛子和え
ごま酢和え

[正月]
ごはん・正月盛合せ
菜の花辛し和え・栗きんとん
青豆・牛乳

②出産祝い膳
当院で出産された方は、お祝い膳を用意しております。
ごはんとパン、肉料理と魚料理からお好きな組み合わせを選んでいただくことができます。
栄養食事指導について
栄養食事指導とは、医師の指示に基づいて管理栄養士が入院・外来の患者さんを対象に、食事の指導を行うものです。
一人ひとりに行う「個別指導」と複数の患者さんを対象に行う「集団指導」があります。
栄養食事指導は原則として予約制となっていますので、希望される方は担当医師にご相談ください。
1.個別指導
患者さんの病気の状態、年齢、性別、食事の習慣などを踏まえた上で、治療に関した適切な食事の摂り方について具体的にアドバイスさせていただきます。管理栄養士が、患者さんの食生活における不安や疑問に応えるとともに、治療食への理解を深めるお手伝いをしています。
外来栄養食事指導 月曜日~金曜日 午前10時~11時 または 午前11時~12時
入院栄養食事指導 (入院中の栄養食事指導や助言は、病室で行う場合もあります。)
2.集団指導
●糖尿病教室(毎週水曜日 13:30~)
前 編 | 動脈硬化症について
低血糖について
糖尿病食の基礎 |
医師
看護師
管理栄養士 |
後 編 | 病態・合併症・運動等
フットケアについて
糖尿病食品交換表の使い方、献立・調理、外食・間食について |
医師
看護師
管理栄養士 |
入院中の栄養管理について
入院時に、医師、看護師、管理栄養士等が共同して、総合的な診療計画をたて、入院診療計画書を作成します。
また、特別な栄養管理の必要性が有る患者さんには、栄養管理計画書を作成し、一人ひとりの栄養状態を評価しています。
必要に応じて病室に訪問し、病態や嗜好に合わせた食事となるよう、食事内容の検討や栄養補助食品の提案などを行っています。
栄養や食事についての疑問等があった場合には、病棟担当の管理栄養士がおうかがいし、ご相談にお応えしております。
担当看護師を通してお気軽にお申し出ください。
栄養障害が疑われる場合などは、栄養サポートチーム(NST)とも連携し、入院中の栄養状態改善に努めています。
チーム医療について
各チーム医療に参画し、他職種と連携しています。
●栄養サポートチーム(NST)
(医師、看護師、管理栄養士、薬剤師、臨床検査技師、言語聴覚士、歯科衛生士、事務職員)
毎週1回のNST回診では栄養療法の検討を行います。


●褥瘡対策チーム
●緩和ケアチーム
●認知症ケアチーム
●摂食嚥下カンファレンス
●心臓リハビリテーションカンファレンス
●集中治療チーム
●糖尿病透析予防チーム等
災害時非常備蓄食品
災害時等に対応できるよう、3食×3日分の非常備蓄食品を用意しています。


大学との連携
毎年1回、山形県立米沢栄養大学の学生と山形県立4病院の管理栄養士が共同で考案した減塩メニューを提供しております。山形県民の健康課題の一つである「減塩」を推進するとともに、本県医療の質の向上、人材の育成、資質の向上にも取り組んでいます。平成26年からスタートし、令和5年に10年目を迎えました。