山形県立中央病院

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TOPご来院の皆さま診療科のご案内脳神経外科脳腫瘍

1.神経膠腫

 脳腫瘍の代表というと神経膠腫がまずあげられます。神経膠腫は脳腫瘍の中で約25%を占めています。神経膠細胞はグリアと呼ばれますが、手足を動かすなどの機能を持った神経細胞を取り囲み神経細胞の保護や機能を高める役割を担っています。この神経膠細胞が腫瘍化したものが神経膠(Glioma)です。つまり元々脳の中に存在する細胞が腫瘍化するため腫瘍は脳の中に浸潤性に拡がり、あたかも手の指を開いたように増大する特徴があります。腫瘍化する神経膠細胞の種類によって腫瘍も細かく分類され予後なども変わります。悪性度に応じてグレード分類し1から4までの数字で表され、数字の大きい方が悪性度が高く、年齢とともに悪性度の高い腫瘍(膠芽腫:グレード4)が多くなり治療も困難で予後も悪くなる傾向があります。治療は手術による摘出と放射線、化学療法の併用が基本です。低悪性度腫瘍に対しては全摘出されれば経過観察ということもあります。低悪性度神経膠腫は5年生存率70〜80%と比較的良好です。悪性度の高い神経膠腫は生存率が低下し、特にグレード4の膠芽腫はなかなか治療成績が上がらず5年生存率10%以下と脳外科医がもっとも頭を悩ます腫瘍の一つでしたが近年放射線治療に加える化学療法剤が開発されたこと、術中に手術用の顕微鏡から特殊な光を当てることで腫瘍を蛍光発色させ発色部位を摘出することにより摘出率の向上を目指せる薬品・技術の進歩、さらに化学療法剤を含ませた留置剤を直接摘出面に留置し術中から化学療法を行う薬剤の開発など治療の選択肢が拡がり、今後予後の改善が期待できる環境になってきています。
また、最近では腫瘍の遺伝子を調べることにより化学療法の効きやすさや予後についてもかなりの部分を判断でき、治療選択に有用な状況となってきています。
このようにこれまでなかなか治療が難しかった腫瘍ではありますが今後研究が進み更に有効な治療法が開発される期待が高まっています。


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