4.悪性リンパ腫(中枢神経原発)
脳にはリンパ組織がなくリンパ腫発生の機序は不明ですが、最近高齢化とともに増加傾向にあり脳腫瘍の約3%を占めています。病名にもあるとおり悪性の腫瘍です。またAIDS(エイズ)などの免疫不全状態では合併が多いと言われています。画像診断にて脳原発の悪性リンパ腫が疑われた場合には生検術(腫瘍の一部を組織診断のために摘出すること)を行い病理検査で診断確定後、化学療法と放射線療法を行います。化学療法は放射線治療前にメトトレキセート(MTX)と言う化学療法剤の大量療法を行うことで生存期間の延長が得られています。手術による腫瘍の摘出は神経学的後遺症の危険性が高く摘出術ではなく生検術が推奨されています。