山形県立中央病院

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病院概要

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主な疾病・疾患

TOPご来院の皆さま診療科のご案内主な疾病・疾患

主な疾患

それぞれの検査の対象となる主な臓器、疾患は以下のとおりです。

  • 細胞診断:乳腺、甲状腺、子宮、肺、体腔液、リンパ節など
  • 生検組織診断:胃、大腸、肺、子宮、乳腺、前立腺、皮膚など
  • 手術標本の組織診断:胃癌、大腸癌、食道癌、肝臓癌、膵臓癌、肺癌、子宮癌、卵巣癌、乳癌、甲状腺癌、前立腺癌、膀胱癌、腎臓癌、喉頭癌、肉腫、脳腫瘍など
  • 手術中の迅速診断:消化管や乳房温存手術などの切除断端、センチネルリンパ節など
  • 病理解剖:死亡例

主な疾患

頭頸部・耳鼻咽喉科の扱う領域とは

  • 耳(外耳、中耳、内耳)
  • 鼻(外鼻、鼻腔、副鼻腔)
  • 口腔(舌・口腔底、頬粘膜,歯肉、口蓋、口唇)
  • 咽頭(上咽頭、中咽頭、下咽頭) 頸部食道
  • 喉頭(声帯)、気管
  • 頸部(甲状腺、頸部リンパ節)
  • 顎・顔面

 


頭頸部・耳鼻咽喉科の扱う疾患とは



炎症性疾患 中耳炎
アレルギー性鼻炎
副鼻腔炎(蓄膿症)
口内炎、舌炎
咽頭炎(扁桃炎)、喉頭炎
頸部リンパ節炎
腫瘍性疾患(良性) 聴器(耳介、外耳道、中耳)腫瘍
口腔(舌・口腔底、頬粘膜、口蓋、歯肉、下顎骨、口唇)腫瘍
鼻・副鼻腔腫瘍
咽頭腫瘍
声帯ポリープ
甲状腺腫瘍
唾液腺(耳下腺、顎下腺、舌下腺)腫瘍
頸部腫瘍(頸部嚢胞、ガマ腫、神経原性腫瘍)
腫瘍性疾患(悪性) 聴器(耳介、外耳道、中耳)癌
口腔(舌・口腔底、頬粘膜、口蓋、歯肉、下顎骨、口唇)癌
鼻・副鼻腔癌
上咽頭癌、中咽頭癌、下咽頭癌
喉頭癌
甲状腺癌
唾液腺癌
顔面・頸部悪性腫瘍
頸部リンパ節転移
機能障害 嚥下障害
音声障害
顔面神経麻痺
難聴
耳鳴
めまい
味覚障害
嗅覚障害
その他 睡眠時無呼吸症候群
シェーグレン症候群

 

主な治療

1.頭頸部領域の良性腫瘍

頭頸部、甲状腺、副甲状腺、唾液腺に発生した良性腫瘍に対しては手術を中心に行っています。手術にあたっては,患者様の機能や審美性を損なうことのないように心がけています。また頸部嚢胞、ガマ腫、甲状腺嚢胞などの嚢胞性疾患に対しては,嚢胞内に薬物を注入する硬化療法も積極的に行っておりますのでご相談下さい。

2.頭頸部領域の悪性腫瘍

頭頸部、甲状腺、副甲状腺、唾液腺に発生した悪性腫瘍(癌、肉腫)の治療に当たっては,治療に伴う機能の低下や容貌の変化に対して他の領域に以上に配慮が必要になります。手術だけではなく,放射線治療,化学療法(抗癌剤,分子標的薬)を組み合わせた集学的治療を,関係各科と綿密に連携を取りながら行っております。また手術も可能な限り機能温存手術を行うように努めています。進行例では拡大手術が必要になる場合も稀ではありませんが,切除後の欠損部に対しては積極的に形成外科と合同で,微細血管吻合を利用した遊離再建手術を行っております。また当院で出来ない治療(頭蓋底手術、粒子線治療、サイバーナイフ等)は頭頸部がん専門医のネットワークを通じて、治療可能な施設への紹介やセカンドオピニオンにも積極的に対応しておりますのでお尋ね下さい。

3.嚥下障害

近年高齢化社会の進展に伴い,飲み込みが悪くなってきたあるいは食事をするとむせる等嚥下障害を訴える方が増えています。嚥下障害の原因として考えられるのが、脳梗塞・脳出血・頭部外傷などの脳の病気、また、パーキンソン病などの神経疾患、口腔・食道・胸部などの手術後、拒食症・うつ病・認知症等心理的原因などです。嚥下障害の最大の危険は、誤嚥(ごえん)性肺炎です。誤嚥とは、食物が誤って気管に入ることで、これにより誤嚥性肺炎を発症すると、発熱を伴い、呼吸機能低下・体力や気力の低下,最悪の場合死亡する危険性があります。当科では嚥下障害を訴える患者さまに対し,嚥下機能の評価を適切に行いリハビリ指導を行っております。また嚥下機能改善手術や誤嚥防止手術等外科的手術も行っておりますのでご相談下さい。

4.音声障害

声がでにくい、かすれる、などの声の症状は日常でもよく見られます。声の使い過ぎや無理な発声が原因で起こる声帯ポリープや声帯結節、発声時に声帯の動きが低下し声帯がきちんと閉まらない反回神経麻痺、声帯に出来る癌である喉頭癌など、様々な病気があります。このような声の障害に対する治療法として手術治療を積極的に行っています。また月2回水曜日の午後に音声障害専門の外来を行っています。

5.聴覚障害

難聴(高齢者、成人、小児および乳幼児)に対する、語音聴力検査や聴性脳幹反応検査等の他覚的聴力検査を行い、適確な診断と適切な治療を行っております。高齢者の補聴器の相談や補聴器の導入なども積極的に行っています。また乳幼児・小児の難聴に対しては,山形大学医学部連携し難聴児の早期発見および早期聴能訓練に努めています。

6.睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome:SAS)は、睡眠中に10秒以上の呼吸が停止する、つまり無呼吸が5回以上繰り返される疾患です。主に、いびきや昼間の眠気、睡眠後の熟睡感がない、起床時の頭痛などの症状が出現します。また、SASは生活習慣病と密接に関係しており、放置すると生命の危険に及ぶこともあります。また、SASに伴う眠気は居眠り運転の原因となり交通事故を起こす危険が高く早期に適切な治療をすることが必要になります。当科では睡眠時無呼吸症候群の診断として携帯用睡眠検査を行っております。治療が必要な方に対しては持続陽圧呼吸(nCPAP)、いわゆるマウスピース(口腔内装置)の使用,扁桃肥大や副鼻腔炎が原因の方に対しては手術療法も積極的に行っています。

7.慢性副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎

慢性副鼻腔炎に対しては鼻内視鏡を用いた鼻内副鼻腔手術を行っています。また重症のアレルギー性鼻炎には鼻閉の改善や鼻漏の軽減を目的に、下甲介切除と後鼻神経切断術を併用した手術や,外来での鼻粘膜レーザー焼灼術を行っています。

8.顔面神経麻痺、突発性難聴、めまい

治療に緊急性があることから,重症例に対しては入院の上で治療を行っています。顔面神経麻痺や突発性難聴は積極的に大量ステロイド療法を行い良好な成績を得ております。めまいについては,必要に応じて電気眼振検査等の神経耳科学的検査を行った上で治療方針を決めております。

9.重症感染性疾患

通常の急性扁桃炎や急性乳様突起炎,扁桃周囲に膿が貯留した扁桃周囲膿瘍や、緊急に切開排膿や気道確保を行わなければ生命に危険を及ぼす深頸部膿瘍や急性喉頭蓋炎などの重症感染性疾患に対しても救急科と連携しながら積極的に対応しております。

主な疾患

  1. 日常よく見られる疾患
    鼠径ヘルニア、停留精巣、臍ヘルニア、乳児痔瘻(肛門周囲膿瘍)、漏斗胸など
  2. 新生児の外科疾患
    鎖肛、腸閉鎖症、腸回転異常症、食道閉鎖症、横隔膜ヘルニア、臍帯ヘルニア、腹壁破裂など
  3. 消化器疾患
    肥厚性幽門狭窄症、胃食道逆流症、虫垂炎、ヒルシュスプルング病、慢性便秘など
  4. 肝臓・胆道疾患
    胆道拡張症、胆道閉鎖症など
  5. 腫瘍(良性)

主な疾患

1.脳腫瘍

2.間脳下垂体疾患

  • 間脳下垂体腫瘍

3.脳血管障害

  • 破裂脳動脈瘤(くも膜下出血)
  • 未破裂脳動脈瘤
  • 脳梗塞
  • 主幹動脈狭窄・閉塞症
  • 脳出血
  • もやもや病
  • 脳動静脈奇形・硬膜動静脈瘻
  • 海綿状血管腫など


4.頭部外傷、神経外傷

  • 頭部外傷
  • 脳挫傷
  • 頭蓋骨骨折、急性硬膜外血腫
  • 急性硬膜下血腫、慢性硬膜下血腫

5.機能性疾患

  • 三叉神経痛
  • 片側顔面けいれん
  • てんかんなど

6.先天異常

  • 小児水頭症
  • くも膜嚢胞

7.その他

  • 特発性正常圧水頭症
  • 脳脊髄液減少症(特発性低髄液圧症候群)

主な疾患

形成外科とは? …美容外科との違い…

形成外科というと、未だ多くの人が美容外科と思っていられるようです。これは必ずしも全くの誤りではないのですが、もう少し形成外科について知っていただきたいので、この場を借りて説明いたします。
定義は…形を作る科。先天的、あるいは後天的疾病によって生じた変形を、形態的ならびに機能的に、修復再建する事を目的とした外科学の一分野…となっています。対象となるのは、内臓を除く体表面のすべての部位の組織・器官の変形、欠損あるいは醜形ですが、最近は各科との共同手術等でその守備範囲が広くなってきています。具体的には、1. 先天異常(頭部・顔面の変形、唇裂、口蓋裂、耳の変形、手足の異常、漏斗胸、尿道下裂など外陰部の変形、など)、2. やけど、3. 外傷(顔面・手足など、骨折を含む)、4. 瘢痕・ケロイド、5. 皮膚腫瘍(良性、悪性)、6. 皮膚潰瘍、7. その他の変形・疾病、8. 美容外科、などが対象となっています。

さて、形成外科イコール美容外科が全くの誤りではない、ということはこれでお分かりかと思いますが、美容外科はたしかに形成外科の一分野です。したがって、技術的には形成外科医は美容外科手術ができます。しかし、山形県立中央病院のような公立病院では、原則として保険外診療が認められていないため、純粋な美容外科手術は行っておりません。しかし美容かそうでないかの判断が難しい場合もありますので、もしお悩みのことがありましたら、一度受診して下さい。


やけどをしたときのワンポイントアドバイス

やけどは、一人の人間が平均して1年に3回は受傷するといわれています。その殆どは処置のいらない軽いものなので、気づかないうちに治ってしまっています。それでも、比較的大きいやけどを負ったときには、以下の注意点を守ったうえで、病院を受診して下さい。

  1. やけどの傷は水で冷やす:流水で10数分冷やして下さい。冬期間は低体温に十分注意して下さい(特に子ども)。やけどの範囲が広い(子どもは片腕以上、大人は片足以上)場合は、軽く流水で冷やした後、早めに病院を受診して下さい。
  2. 氷では絶対に冷やさない:もっとも皆さんが間違うことです。むしろ傷は深くなります。また、子どもは低体温ショックに陥ることがあります。
  3. 肌着を乱暴に脱がせない:水疱膜は傷を保護する作用があります。この水疱膜を破らないように肌着はゆっくり脱がせて(場合によっては切る)下さい。
  4. 病院を受診する場合は、傷に市販の薬を塗ってきたりしない:薬の使い方によっては、仮にやけどに効くとされているものでも傷を深くすることがあります。
  5. やけどは予防が第一:やけどは殆どが不注意によるといっても過言ではありません。特に小さな子どものいるお家では、やけどをする危険性のあるものを子どもの手の届かないところに置くなど、十分に注意して下さい。やけどの患者さんの中で一歳前後の子どもの占める割合が最も多いのです。


唇裂・口蓋裂の話

唇裂とは

上口唇(うわくちびる)が生まれつき割れている状態のことをいいます。このとき、同時に鼻の異常があることが普通です。以前は「兎唇」とか「みつくち」などといった呼び方をされていましたが、現在は、唇裂という言葉が使われています。

口蓋裂とは

口の中の天井、つまり上あご(口蓋)が生まれつき割れている状態のことをいいます。口蓋裂は、口を開けなければ形の異常が見えないので、見た目の問題は、唇裂に比べて少ないかもしれません。しかし、最も大切なのは、言葉の問題であり、適切な治療が必要です。

治療時期

手術時期や方法に関しては施設によって多少異なりますが、当科では、唇裂はおよそ生後3ヶ月頃に行っています。口蓋裂に対しては、およそ1歳から2歳の間に手術をしています。口蓋裂手術で言葉の獲得が不十分な場合には、言語訓練を行うと、かなりよくなります。鼻の修正は、程度にもよりますが、4歳から5歳頃に手術しています。ところで、唇裂、口蓋裂は口唇、鼻などの柔らかい組織以外にも、顎骨(あごの骨)にも変形がおよんでいることが多く、このため成長にあわせて数回の手術が必要となります。また、歯の矯正治療なども必要となりますが、変形の程度などにより治療時期は異なります。


顔面の骨(上・下顎)の骨折・異常について

骨折、というと整形外科を連想される方が多いと思いますが、顔面の骨の骨折は形成外科で治療します。一口に顔面の骨と言っても一つではなく、鼻骨(鼻の骨)、頬骨(ほほの骨)、上顎骨(上あごの骨)、下顎骨(下あごの骨)などが顔面の骨を構成しており、これらの骨折を形成外科で治療しています。顔面骨骨折は、専門医でないと診断が難しいことがありますので、何らかの原因で顔面をぶつけたりした後、顔面の痛み、しびれ等があり、口が開けにくい、ぶつけたほうの顔の表情が乏しい、物が二重に見えるなどの症状があった場合には、受診して下さい。骨折が認められれば、手術による整復が必要となります。
人の顔はそれぞれの個性の現れですが、時に顔が長い、顔が曲がっている、下あごが小さい、歯のかみ合わせが悪いなどの理由で受診される方がいます。これらは時として顔面の骨の発育の異常等により引き起こされていることがあります。


乳房再建について

乳腺外科と連携し治療に当たります。
形成外科単独で行う入院を伴う再建については山形大学で行います。


レーザー治療について

レーザーは「あざ」の治療に今やかかせない治療法の一つとなっています。レーザーには何種類かあり、その特性によって、対象となる疾病が異なります。また、その多くが現在もなお保険診療対象外となっているのが現状です。

当科で使用しているレーザーは「赤あざ」用で、保険診療が認められています。レーザー装置の設定上病変を選択的に照射するようになっていますので、適切な出力で治療が行われれば、照射後の醜い傷跡などの問題は殆どありません。対象となるのは、単純性血管腫(いわゆる赤あざ)です。通常は、初回に小範囲で試験照射を行い、適切な出力を設定し、2回目から本照射となります。また、同一の病変に対し複数回照射したほうが効果があるとされています。したがって、治療は数回に及ぶことが多く、期間も数ヶ月を要することもあります。通常、レーザー治療は麻酔が不要で、外来で行いますが、小さな子ども、病変が広範囲、目の周囲などの特殊部位、などの場合には、時として麻酔をかけたり、麻酔法によっては入院が必要となることもあります。


形成外科のトピックス

形成外科は、日夜新しい分野へ発展しつつある科といえます。最近では、皮膚の培養、組織の培養(Tissue Engineering)などがマスコミに取り上げられるなど注目を浴びています。特に培養皮膚は、一部臨床の場で応用されつつあります。もう少し日常的なところでは、ケロイド、陥入爪(巻き爪)などの治療材料・器具も次々に開発され、患者さんに苦痛を与えることなく治療することも可能となりました。今後、当科でも積極的に最新の知識・技術を修得し、患者さんに還元できるよう努力して参ります。また、新しい情報が入り次第随時報告いたします。

主な疾患

新生児



名称 詳細
早産児 在胎22週0日から36週6日で出生した児
超低出生体重児 出生体重が1000g未満の児
極低出生体重児 出生体重が1500g未満の児
新生児呼吸障害 呼吸窮迫症候群、気胸など
先天性心疾患  
重症新生児仮死  
新生児感染症  

主な疾患

小児疾患



名称 詳細
呼吸器疾患 急性上気道炎、急性喉頭炎、急性気管支炎、急性肺炎、急性細気管支炎
消化器疾患 急性胃腸炎、腸重積症、急性肝炎、肥厚性幽門狭窄症
感染性疾患 水痘、麻疹、おたふくかぜ、伝染性単核症、突発性発疹症、川崎病、インフルエンザ、百日咳、溶連菌感染症
神経疾患 熱性けいれん、てんかん、無菌性髄膜炎、細菌性髄膜炎、急性脳炎・脳症
腎泌尿器疾患 尿路感染症、ネフローゼ症候群、急性腎炎
血液免疫疾患 鉄欠乏性貧血、血小板減少性紫斑病、lgA血管炎、先天性免疫不全、自己免疫疾患
循環器疾患 先天性心疾患、不整脈、起立性調節障害
アレルギー疾患 気管支喘息、アトピー性皮膚炎、食物アレルギー
内分泌疾患 甲状腺機能亢進症(バセドウ病)、甲状腺機能低下症(クレチン症)、成長ホルモン分泌不全性低身長

主な疾患

  1. 心疾患としては 狭心症、心筋梗塞などの虚血性心疾患、不整脈疾患、心不全、弁膜症、心筋疾患、心膜疾患、高血圧性心疾患、など。
  2. 高血圧症(二次性高血圧症を含む)
  3. 大動脈解離、大動脈瘤などの大動脈疾患、閉塞性動脈硬化症、腎血管性高血圧等の末梢動脈疾患の内科的管理
  4. 血栓性肺動脈塞栓症、下肢深部静脈血栓症等

主な疾患

内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)と粘膜切除術(EMR)

当科は以前から、山形県における胃癌の集団検診及び胃癌の診断と内視鏡的治療において中心的役割を果たしてきました。その伝統は今でも変わらず、早期胃癌に対する内視鏡的粘膜切除術に関しては現在でも国内学会や国際学会に発表を続け、厚労省班研究やJCOGの班員にも選ばれ、評価されています。

消化管の内視鏡的治療においては、平成14年からはより大きな癌(適応拡大病変)を対象とした内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)を導入し、食道・胃・大腸腫瘍に行っています。ESDではウオータージェット付きマルチベンデイングスコープやSBナイフ、CO2送気、高周波発生装置VIOなど最新機器を導入し、最先端の治療を行っています。大腸の内視鏡的粘膜切除術も平成16年には年間470件を越え、LST(側方発育型腫瘍)や早期癌がその30%を占めています。

消化器癌に対する化学療法

内視鏡的治療もさることながら、当グループでは消化器癌に対する化学療法も積極的に施行しており、平成19年4月から念願の外来化学療法センターも開設され、化学療法は入院から外来へとシフトしつつあります。外来化学療法なども含めた腫瘍外来は、当院腫瘍内科および山形大学医学部腫瘍内科に御協力をいただいています。




ピロリ菌除菌による胃癌予防

消化性潰瘍に対するピロリ菌の除菌療法も多くの経験を有し、当グループが山形県臨床ヘリコバクターピロリ研究会の事務局として平成14年の市民公開講座を開催し、平成18年には除菌による胃癌予防効果と内視鏡検査の重要性を明らかにし、総会や国際学会で広く発表してきました。除菌による胃癌予防の可能性は、当グループの深瀬が平成20年5月に米国サンデイエゴの学会で世界に向けて発表し、同年8月にはその論文が世界的に有名な医学雑誌ランセットに掲載されました(Lancet 372 : 392-397, 2008)。この論文が根拠の一つとなり、平成25年2月21日から「ピロリ菌陽性の慢性胃炎」が除菌適応疾患になりました。

腸疾患

さまざまな癌の中で大腸癌の罹患数は男女あわせて最も多く、死亡数でも男性で3位、女性では1位です。大腸癌はかなり進行するまで症状がないため、早期発見のためには大腸を内視鏡検査などで直接大腸を検査する必要があります。また健診で便潜血検査の陽性を指摘された場合にも大腸内視鏡検査等が推奨されています。

当院では、拡大内視鏡を用いてより精度の高い大腸内視鏡検査を行っています。その一方で、腹部手術の既往などで腸に癒着がある場合は、積極的に細く柔らかいスコープを使用することで苦痛の軽減を図っています。状況によっては鎮痛剤の使用を考慮します。通常のポリープ切除だけでなく、平坦型の腫瘍に対しても内視鏡治療を積極的に行っています。

その他、大腸憩室出血や虚血性大腸炎の方が希ならず来院されます。時には小腸からの出血例もありカブセル小腸内視鏡とバルーン式小腸内視鏡を駆使して出血源の検索と治療に力を入れています。

また、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)においては、免疫調整剤、白血球除去療法(GCAP)などを積極的に取り入れており、万が一の手術においても外科との協力体制をとっております。

大腸CT(CTコロノグラフィー)検査

健康診断の便潜血検査で異常を指摘されても、二次検査(精密検査)受診する率が低いという問題があります。その理由の一つに精密検査として行われる大腸内視鏡に対する抵抗感が強いことが指摘されています。
当科ではより検査の負担・抵抗感の少ない大腸CT検査(バーチャル内視鏡)を開始しました。まだまだ症例数は少ないですが、過去の大腸内視鏡検査が困難であった方などにも行う予定でおり、さらなる二次検診受診率の向上に寄与できればと考えています。

肝疾患について

急性肝炎・慢性肝炎・肝硬変・肝がんと幅広く診療を行っています。
肝癌のハイリスクグループであるB型慢性肝炎やC型慢性肝炎は重要な疾患です。B型慢性肝炎では、核酸アナログ製剤(経口剤)が治療の中心です。 C型慢性肝炎でも、直接作用型抗ウイルス剤(経口剤)の治療が主たる治療法となりました。どちらも副作用が少なく、良好な治療成績が得られています。
最近注目されているのは、メタボリックシンドロームや糖尿病などを原因とした非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)です。以前には脂肪肝は肝硬変にはならないと言われてきましたが、食生活の変化により、肝硬変・肝がんの原因となるようになりました。生活習慣の改善は肝疾患においても重要です。
肝炎治療の進歩によりB型・C型肝炎ウイルス由来の肝がんの割合が減少するなか、非アルコール性脂肪性肝炎やアルコール性肝障害(ASH)を背景にした肝がんが増加しています。ハイリスクグループが設定しずらく、サイズが大きくなる傾向があり注意が必要です。
肝臓の硬さ診断が、超音波検査でできるようになりました。肝がんの診断には、造影CT、造影MRI、造影超音波検査を行っています。治療は、肝切除(外科)、経皮的ラジオ波焼灼術、肝動脈閉塞術、分子標的薬治療など積極的に取り組んでいます。

胆膵疾患について

膵胆道系領域では、各種画像検査などを行い、正確な診断をモットーに診療に当たっています。また治療に際しても、患者さんと共に外科とも連携をとりながら最適な治療を行うよう努めています。①総胆管結石に対する内視鏡治療、②膵臓癌や胆管癌でみられる悪性胆道狭窄(閉塞性黄疸)に対するドレナージ、ステント留置治療などを中心に行っています。

その他

最近では社会的ニーズの高まりとともに経皮的内視鏡胃瘻増設術(PEG)の症例が増加しています。


 

詳細・お知らせ


主な疾患


術例・治療例名 内容
脳血管障害 脳梗塞、一過性脳虚血発作、脳出血など。
感染性疾患 ウイルス性髄膜炎・脳炎、細菌性髄膜炎、脳膿瘍、プリオン病など
脱髄性疾患 多発性硬化症、急性散在性脳脊髄炎など
内科疾患に伴う神経系障害 ビタミン欠乏症、甲状腺機能亢進症・低下症、糖尿病、血液疾患、膠原病、ベーチェット病、サルコイドーシス、悪性腫瘍などに伴う神経障害
変性疾患 アルツハイマー型認知症、Lewy小体型認知症、パーキンソン病、多系統萎縮症、進行性核上性麻痺、脊髄小脳変性症、筋萎縮性側索硬化症など
末梢神経障害 ギラン・バレー症候群、フィッシャー症候群、慢性炎症性脱髄性多発神経炎など
筋疾患 多発筋炎、重症筋無力症、筋ジストロフィーなど

主な疾患

  1. うつ病、パニック障害、適応障害、統合失調症、認知症などの精神疾患およびストレス関連障害
  2. 悪性腫瘍(がん)による不安、抑うつ、不眠などの診療
  3. 発達障害

主な疾患

肺癌

気管支内視鏡を主体とする診断, ドライバー遺伝子変異/転座を標的とするキナーゼ阻害剤, 免疫チェックポイント阻害剤なども含めた最新の化学療法を行っています.
臨床試験にも積極的に参加しています.

間質性肺疾患

原因と病態の把握を重視しています. そのために必要な, クライオ生検・気管支肺胞洗浄などの積極的な検査と, MDD (多分野集学的検討) などでの検討を十分に行っています.
重症呼吸不全を呈する急性病態の治療は集中治療部と連携を密にとりながら行っています.

呼吸器感染症

新旧のウイルス, 細菌, 抗酸菌による感染症など様々な病原菌による感染症の診断・治療を行っています.
重症呼吸不全を呈する重症肺炎の治療は集中治療部と連携を密にとりながら行っています.

気管支喘息

生物学的製剤の適応を積極的に検討しています.

慢性閉塞性肺疾患

主に急性増悪の治療を行っています.

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