近年、有効性の高い薬剤の開発などにより、日常生活や社会生活を行いながら治療を続けることのできる外来化学療法が、患者さんの生活の質（ＱＯＬ）を向上させるとして、急速に普及・増加しています。

山形県立中央病院では、安全性や治療環境のクオリィティ向上を目指し、外来化学療法センターを平成19年3月に開設しました。現在では毎日25名以上の予約があり、年間6500名以上の方が外来化学療法を受けておられます。

外来化学療法センターは血液内科医長を室長に置き、主治医、がん専門薬剤師やがん化学療法看護認定看護師など、専門知識を持つスタッフを中心にしたチーム医療で外来化学療法を受ける患者さんやそのご家族をサポートします。科学的根拠に基づいた治療を、安全に確実に行い、化学療法に特異な副作用を予測し、発生時には的確に対応します。また治療を続けるなかで生じる不安や相談にもできるだけ対応したいと考えております。

1. 科学的根拠に基づいた最適な治療を提供します。
2. 安全で確実な化学療法を行います。
3. 多職種で連携し生活指導を行い、社会生活を支援します。

当院の基本理念である｢安心と信頼の医療｣を県民の皆様に提供するため、患者さんの視点で整備してまいりました。外来化学療法センターは、化学療法でがんと闘う患者さんとそのご家族をハード・ソフト面から支援していきます。

外来化学療法センターは予約制です。主治医が治療計画に合せて診察とともに予約します。

1.治療当日の流れ

1. 自動受付機で受付をします
2. 採血室で採血をします。（結果がでるまで1時間程度かかる場合があります。診察予約の1時間前までにお越しいただくようお願いすることがあります）
3. 受診される各診療科の窓口にお越しください。
4. 体温を計測し、問診票に記載していただきます。
5. 採血の結果がでましたら、担当医が診察をします。
6. 診察にて化学療法実施が確定しましたら、医師より患者基本票ファイルを受け取り１階外来化学療法センターにお越しください。
7. ベッドかリクライニングチェアにご案内いたします。
8. 血圧測定や体調確認を看護師が行います。同時に点滴治療の準備を始めます。
9. 点滴治療の薬剤は治療確定後、薬剤師と看護師がダブルチェックをした後、薬剤師が専用のキャビネットで作成します。
10. 点滴のための血管穿刺は、同意された方には外来化学療法センターの看護師が行います。同意頂けない場合、穿刺が困難な場合にはこれまで通り各診療科の医師が行います。
11. 点滴治療に関して不安なことや困ったこと、疑問に思うことなどがありましたら、看護師にお話ください。必要であれば主治医に連絡し、相談いたします。
12. 点滴治療が終了したら自動支払機か、１階総合受付支払い窓口にて会計となります。

次回の外来日まで

体調の変化や何らかの問題が生じた場合、まずお電話で病院にお知らせください。
平日の8：30から17：15までは各診療科の外来、夜間・休日は救命救急センター外来にご連絡ください。ご連絡の方法を示したパンフレットを外来化学療法センターのオリエンテーション時に配布いたします。

外来化学療法センターで治療を受けることになった際、ご希望があれば予め見学することは可能です。事前に連絡が必要です。医師・看護師にご相談ください。

　当院で使用される化学療法レジメンは化学療法管理委員会で審査、承認され登録が行われます。外来化学療法を受ける患者さんの安全な治療が行われ、また、他の保険医療機関や保険薬局との連携強化を目的に外来化学療法センターで使用されるレジメンを公開しております。投与量や投与スケジュール含むレジメン内容は患者さんの状態や経過などによって、変更となる場合がありますのでご留意ください。

　なお、公開したレジメンは化学療法を受ける患者さんの適正な投与管理を目的に医療従事者へ提供したものであり、患者さんや一般の方への情報提供を目的にしたものではありません。また、適正な投与管理以外の目的とした使用や無断転用は行わないようお願いいたします。

 

《化学療法レジメン一覧》（令和６年３月現在）

１．肺癌　　２．非ホジキンリンパ腫　　３．ホジキンリンパ腫　　４．多発性骨髄腫

５．白血病　　６．食道癌　　７．乳癌　　８．胃癌

９．膵臓癌　　１０．胆道癌　　１１．肝細胞癌　　１２．大腸癌

１３．脳腫瘍　　１４．腎細胞癌　１５．前立腺癌　　１６．尿路上皮癌

１７．胚細胞腫瘍　　１８．頭頸部癌　　１９．その他の癌

 

化学療法に関する問い合わせについて
　化学療法レジメンに関する情報提供や副作用等の問い合わせは薬剤部で対応いたしますので、下記連絡先へお問い合わせください。