基本方針
臨床工学技士とは、医師以外の診療補助に従事する看護師や各種の医療技術者(メディカルスタッフ)の一職種であり、現在の医療に不可欠な医療機器のスペシャリストで、昭和63年に誕生した比較的新しい国家資格です。
近年の医療の高度化に伴い、数えきれないほど新しい医療機器が院内に設置されています。それらが常に安全に安心して使用できるよう、我々臨床工学技士が医学と工学の両面の知識を活かして管理を行っています。
現在当院では15名の臨床工学技士が以下の業務を行っています。
主な業務内容
医療機器管理業務
シリンジポンプ、輸液ポンプ、パルスオキシメーター、静脈血栓症予防ポンプなど院内全ての機器を、ME機器管理システム(HOSMA)を用いて臨床工学部で中央管理し、常に点検整備した安全な医療機器を提供できるよう努めています。
また、病棟巡回による人工呼吸器の使用中点検や、除細動器、AEDの日常点検、部署に設置されている閉鎖式保育器や生体情報モニターなどの点検も行っています。
手術室業務
心臓血管外科手術の際に必要となる人工心肺装置の操作、ステントグラフト挿入術やTAVIの介助を行っています。他にも自己血回収装置、ナビゲーションシステムの操作、麻酔器、電気メスなど手術に用いられる数多くの機器の点検も行っています。
最近では、低侵襲ロボット支援手術(da Vinci)が導入され、各診療科でチームを組み、多職種が連携して手術を行っています。
集中治療業務
人工呼吸器や血液浄化装置(HD、CHDF)、補助循環装置(ECMO、IABP)などの生命維持管理装置の操作、管理を行っています。集中治療医や看護師と協力し、安全な医療が提供できるよう心がけています。
心臓カテーテル検査室業務
心臓カテーテル検査業務では、CAG・PCI・アブレーション業務などを行っています。
CE2名で清潔野業務、外回り業務(画像診断装置の操作等)に分かれて業務を行い、患者さんの急変時には補助循環装置(ECMO、IABP、Impella)を速やかに導入できるようにしています。
ペースメーカやCRT-D挿入術ではプログラマーの操作を行っています。
画像診断装置の操作 清潔野での介助
その他
臨床業務だけでなく、医療機器を安全に使用するためのスタッフ向け研修会や情報提供も行っています。2021年7月に臨床工学技士法が改正され、臨床工学技士の業務範囲が拡大されました。これにより当院でも活躍の場がさらに広がっています。