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治療紹介:リニアック

リニアックの詳細

では、今日から治療を始めていきますね。
最初の診察のときにもお話があったと思いますが、先日治療計画用のCTを撮りましたよね。
その画像をもとに、どうやって放射線を当てていくか、どのくらい当てるのかなどを放射線治療専門の先生が計画を立ててくれましたので、それに合わせて毎日同じように照射していきますね。

実際の照射ですが、胸の写真やCT検査って痛くないですよね。それと同じで、治療でもまったく痛みは感じませんよ。
それと、正確に照射されるように治療中は動かないことが大事ですね。

呼吸ですか。
今回の治療では呼吸を止める必要はないですよ。普通どおりの楽な呼吸を心がけてください。
1回の治療にかかる時間は10分くらいですが、実際に照射するのは10数秒から90秒くらいです。

じゃあ、治療室のほうに行きましょう。

リニアック装置による外部照射治療

放射線治療は、手術療法・化学療法と並んでがん治療の3本柱のひとつとなっています。そしてリニアックによる外部照射は、放射線治療の中で最も多く行われている治療です。

放射線治療の大まかな流れはこのようになります。

リニアック装置による外部照射治療

まず放射線治療専門医による初回診察を受けます。放射線治療とはどういうものか、今回の治療の目的は何か、どのように治療が進められていくかといった説明があります。

次に治療計画に必要なデータを得るためCTを撮ります。初回診察の日に続けて行うこともありますが、基本的には日を改めて撮影します。ここで得られたデータをもとに放射線治療専門医が照射方向や線量分布の計算などを行い、治療のための具体的なプランを設計します。なお、CT撮影時に体に直接目印を書き込みます。消えないよう気をつけてください。

リニアック装置による外部照射治療リニアック装置による外部照射治療

準備が整い、治療開始日を迎えます。これからの治療について、看護師や技師から改めて説明があります。
治療室に入りベッドに横になり、照射のための位置合わせを行います。放射線治療は、毎回同じ姿勢で同じ場所に正確に照射することが重要で、照射場所によっては専用の固定具を用います。
これらの設定が合っているかどうかの確認のためX線写真を撮影し、問題がなければ第1回目の照射が行われます。よって治療開始日は30分ほどの時間を要します。

リニアックによる外部照射では、毎日少しずつ継続して治療を行うことで効果があります。1日10~15分の照射を、2週間~7週間にわたり続けていきます。

当院では、画像誘導放射線治療と体幹部定位放射線治療も実施しています。

画像誘導放射線治療

照射直前にX線撮影やCT撮影を行い照射位置を合わせます。これにより、正常な部分への影響をこれまで以上に少なく抑え、位置精度のより高い治療を行うことができます。CT撮影の場合、治療計画CT画像に照射直前のCT画像を重ね合わせて照射位置を決定します。

画像誘導放射線治療 画像誘導放射線治療

体幹部定位放射線治療

体幹部(肺等)に対して、放射線を集中させ周囲の正常な部分への影響を抑え従来の放射線よりも大線量を短期間に照射する治療です。病変が呼吸により移動する可能性があるので、呼吸に同期させて照射したり、呼吸を止めてもらって照射します。

体幹部定位放射線治療 体幹部定位放射線治療

 

深吸気息止め照射(DIBH:Deep Inspiration Breath Hold)

左乳房温存術後の患者さんに対する術後照射において、息を吸って止めていただき心臓への照射線量を減らす深吸気息止め照射(DIBH)を実施しております。息を吸って止めていただくことで、胸壁と心臓の間が広がるので、心臓への線量を減らすことができます。それによって、心筋梗塞などの心疾患のリスクを減らすことができます。なお、左乳房術後照射の方全員に実施しているわけではなく、患者さんひとりひとりの状態に合わせて実施しておりますので、あらかじめご了承ください。

画像誘導放射線治療 画像誘導放射線治療

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